『旅行』
私の名前はリナ。
今日は久しぶりに昔の仲良し五人組で旅行に行くの。
高校の頃に仲が良かったから、会うのはもう十年ぶりぐらいなのよ。
もうアラサーだけれど結婚するどころか彼氏すらいないから、少し会うのが恥ずかしいわね。
彼女達はもう子どももいるみたいだし。
ふふ、それでもやっぱり楽しみなのよね。
だって本当に久しぶりになんだもの!
ああ、わくわくするわ。
心が躍って夜も眠れない。
まるでクリスマスイブの子どもみたいね。
そして待ちに待った旅行の日がやってきたの。
みんなで新幹線に乗って老舗旅館に向かったのよ。
一歩敷地に踏み入れたらそこはもう異世界だったわ。
そこには同じ時代の同じ国とは思えないほど隔絶された美しい光景が広がっていたの!
「こんな綺麗なところ初めて来た!」
「まるで夢の世界のようね」
「こんな所に住みたいわ」
「美しいわねぇ…」
みんな口々に感動を表現したのよ。
面白いでしょう?
でも、それぐらいその景色は素晴らしかったのよ。
もちろん、食事も素晴らしいものだったわ。
美味しすぎて舌が溶けるかと思ったもの。
そうそうそれでね、せっかくだから記念写真を撮ろうってなったの。
だってこんなにも夜景が綺麗なのよ?
撮らない方が損じゃない!
ふふふ、だから無理言って仲居さんに友人のスマホで撮ってもらったの。
綺麗に写ることができたかしら。
あっ、そのスマホ私にも見せて見せて!
「お〜、いい感じに写ってるじゃん〜」
「あいつも自殺なんてしなければ来れたかもしれないのにねぇ」
「ちょっと虐めてあげただけで死んじゃったものね」
「あれにはびっくりしたよね〜。ま、生きてたとしても呼ばなかったけどね」
「言えてる!って、あれ?この影何?」
「ん?…え、それってまさかっ」
『リョコウハミンナデタノシマナクチャ』
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