『親友』

 私の名前はユメ。

 一緒に住んでいるエリカとは大の仲良し。

 小さな時、いつも私達は家族ごっことか、病院ごっことかして遊んでたんだ。

 私とエリカの役はだいたい決まってて、私はいつも妹役で、患者さんなの。

 でもね、エリカは優しいお姉ちゃんだし、手術もすっごく上手だから、とっても楽しいんだよ。

 だけど、小学校へ入ってしばらくしてからエリカと遊ぶ時間が減ってしまったの。

 なぜなら、エリカが外で遊ぶ楽しさを覚えちゃったから。

 だけど、残念ながら私はそこに混ざれない。

 だって私には歩くことも走ることもできないんだもん。

 でも、自分の人生を悲観したりなんかしなかったよ。

 たまに部屋で遊んでくれるだけで私は楽しくて幸せになれたからね。

 でも、さらに大きくなるとエリカはほとんど私とは遊んでくれなくなったんだ。

 寂しいよ、エリカ。

 エリカには学校の友達がたくさんいるのかもしれないけど、私にはエリカだけなんだよ。

 だけど私の声はエリカには届かなくて、どんどんエリカの心は私から離れていった。

 エリカと初めて会ってからどれぐらいの月日が経った時のことだろう。

 私はその日、数年ぶりにエリカに会ったんだ。

「久しぶり、ユメちゃん」

 久しぶり、エリカ。

「…ごめんね。さようなら」

 えっ、嫌だよ。

 私はまだエリカとお別れしたくない。

 だけど私の願いは叶わず、どこか息苦しい場所に閉じ込められてしまった。

 次に気付いた時には私の身体は炎の中にあった。

 熱いよ、嫌だよ、助けてよ、エリカ。

 その間も燃えていく身体。

 最後には、私の身体は全て灰になってしまったんだ。















「エリカ、良かったの?」

「うん。だってもうぼろぼろだったじゃない」

「昔はいっつも『ユメちゃんユメちゃん』って言って持ち歩いてたのに」

「小さい時は人形遊び大好きだったからね」

「まあ、成長したってことよねえ」

「そういうこと」





















『ワタシニハアナタシカイナカッタノニ』

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