第15話 覚醒の始まり1

レティシアは

目を見開いた


彼女の横にはいつの間にか

小さな獣がいた


獣(セレ)はレティシアの

髪飾りの中に吸い込まれるようにして

消え去った


「僕の加護も君の役にたつと良いけど」


レティシアの内側に

女神とは違う別の誰かの声が響いた瞬間

彼女の瞳は黄金に輝き

青と銀色の光を交互に纏っていた




クリス「何だ?!何をしてるのだ?小娘!」


黒き影は唸り声をあげ

レティシアに弾かれた


?「これは…まさか、まさかっ?!

異端者では、ない?この娘は…

…そなたは次の?

こんなに早く次の予兆が?

もう少しで愛しき女神が衰退しきり

堕ちるというのに」


クリス「あなた様が弾かれるなど。どうなっている?あの小娘はなんだ?!

異端者ではない?

どういう意味だ?!」


黒き影は揺らめき人間の姿になっていく

紫色の髪の男になったところで

言い放つ


?「あれは。あれこそは我が愛しきソウセイノメガミの…次の…。

我は、ここでかの女神の賭けに負けるのか?手にはいらぬと?」


クリス「?!」


レティシアは意識はあるが

光にのまれそうな程

自身の力の高まりと

内側に入る新しい力を感じていた


何がどうなっているのか

身体がゆっくり別物になっていくのが

理解できた


そしてチャンスとは

何なのか

運命を塗り替えることは

何なのかを理解した


自分は半分は人間ではないのだとも。


レティシア「闇の影なる者。理解したわ

貴方はこの世界を時を、女神を。

ねじ曲げて蝕んでいる。

だから異端者が歪んで生まれている。

そして、私は…私は。…私のチャンスは…そう、なのね。

私は世界を正すために。人間を知るために

生まれた」


レティシアは泣きながら

兄を目の前に召喚した


レティシア「兄さん、、

せめて貴方の顔を見ていたい。

レティは完全に変わっていなくなるから…」

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