第5話 約束破り


レティシアがファウの元に

たどり着くと

死んだ魔物や致命傷をおった魔物に

囲まれていた


奥には金髪の少女がいた


レティシア「こんなに沢山魔物が?!

兄さん!!」


ファウはレティシアの声を背中越しに

聞いて驚いた


ファウ「レティか?

バカっ!なんで来たんだ?!」


レティシア「兄さん、ごめんなさい!

心配だったの。

でも、来て良かった。私も戦うわ」


ファウ「やめろ!逃げて休んで待ってろ!」


レティシアは周りに新しい魔物の気配を感じ始めていた


レティシア「いえ、逃げないわ。兄さん、ここに新しい魔物が来てるわ。

同じ気配を纏っているの。

たぶん染まりし者の魔物よ

この魔物達もそうでしょう?

これくらい近づけば気配でわかるわ」


ファウは驚いた

ファウは高位の魔術師ではあるが

レティシアほどの力ではないので

気付いていなかったのだ


王女「貴方の知り合いですの?孤児院の。

魔物…それが本当ならば更に危険ですわ。

私やファウ魔術師でさえ気付かない事を感知できるほどの力を持つ方がいるなんて…」


ファウ「こいつは力が大きすぎるが害はない。レティシアを異端者と思うなよ?」


戦いながらレティシアを

害する事は許さないという気迫をみせる

ファウだった


王女「!!…いえ、そんなことは思いませんわ。私も力が高い者ですもの。異端者とは思いません。…それほどの力を持つならば一緒に戦ってください!」


ファウはイライラしながら言った


ファウ「バカ!王女といえ、レティシアを危険にさらすことは許さない。レティ、無理をするな。なんとか逃げて休め。待ってろ。」


レティシアは迷いながらも

ファウを見捨てることは出来なかった


レティシア「戦う!兄さん。来る魔物は私に任せて?」


ファウ「バカやろう!

…っち。無茶はするなよ?」


レティシアは笑いながら

詠唱を始めた


レティシアはいつも無茶をする

こういった時のレティシアの笑顔を見るのが

ファウは苦痛だった。


助けるのはこちら(兄)であるべきだ

そう思っていたからだ。


暫くするとレティシアが

言っていた通りに

魔物が更に来た


王女「本当に、来ましたわ…はぁ、はぁ。

かなりの数が…」


ファウ「っち。王女。結界で少し休む、致命傷をやったやつらを光魔法で更に消してくれ。

少しでも数を減らすんだ」


王女「えぇ」


光る魔方陣の中心にいる

レティシアは目をつぶりながら

集中している

彼女の長い髪と髪飾りが揺れている


華奢な身体は光を纏う


魔方陣に入ろうとする

魔物はその力ごと彼女の青き魔方陣に吸収されて塵になっていく


レティシア「はぁ……っ。邪魔はさせないわ。」


ファウ「大丈夫か?レティシア?!」


レティシア「大丈夫、まだいけるわ。

詠唱もあと少しよ。

こっちにいる魔物は倒すわ。だから兄さん達は、そこにいてね」


笑いながら言うレティシアに

ファウは不安を感じた


ずっと

無茶をする

時の笑い方だ


ファウ「レティ、やめ…」


やめろと言おうとした瞬間

レティシアが魔法を放った


レティシア「混沌なる光!闇を貫けっ」


ファウ達はレティシアを

中心に放たれる光で

視界が

見えなくなった




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