六つの目
佐倉あかり
何もない、何も聞こえない暗闇の世界。
何をするのでもなく、そこにいた。
それは、ただこちらをじっと見ていた。
それも一つではない。
たくさんの目が、こちらを見ている。
一つめは悲しみの目。悲しみ、苦しみが混ざった目。助けてほしいのにだれも来てくれない。周りに言われるままの自分を作って演じようとしている目。
二つめは怒りの目。悔しい、腹ただしい。そんな感情が混ざった目。周りと比べ、比べられて詰まった感情。それをぶつけることもせず、相手のことを考えて、行き場を失ったその感情を必死に溜め込んで耐えている目。
三つめは優しい目。ただひたすら相手を見守っている目。自分一人ではどうしようもない。何もできない。でも、そばにいることはできる。そんな目。
彼らは自分であって自分ではない。
じっと見つめている彼らをみて振り返り歩き出す。
ずっと逃げ続けてきた彼らからもう目を背けるわけにはいかない。
そんな自分の感情をさっしたのか、消えていく。
これからは彼らと向き合っていかねばなるまいよ。
六つの目 佐倉あかり @Disny0413
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