第6話

家に帰って自分の部屋へ行き、すぐにノートを開いた。そして、『雨、女の子、真っ白な世界』と、お気に入りの万年筆で書いた。どんな物語にしようか、なんて考えながらベッドに横になっていたら、いつのまにか眠っていたようで、夢の中では、さっき会った女の子が笑っていた。

はっと目を覚ますと、22時過ぎだった。夜ご飯を食べてお風呂に入り、パソコンを立ち上げる。

『目を開けると、そこは真っ白な世界だった。眩しくはなく、でも白い。何もない。歩いても歩いても、景色は変わらない。』

出だしはこう始めた。新しい物語で、彼女の願望を叶えてあげようと思った。物語の中なら、僕は容易く彼女の望みを叶えることができたから。

起承転結の転、をどうしようかすごく悩んだ。それを決めなきゃ、描き進められない。誰と出会って、何を話して、結末は。彼女は一体どうなるのか。色々考えていたが一向にピンとくるものが浮かばないので、もう一度彼女に会えたりしないかなと思いながら眠りについた。

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