第十七話
登場人物紹介
キヨシ……職業不定。好きな必殺技は「ギガスラッシュ」
ジロウ……職業勇者。好きな必殺技は「十万ボルト」
ヒデオ……職業賢者。好きな必殺技は「神威の断頭台」
ララ ……女神。好きな必殺技は酒の席で隣の男にするさりげないボディタッチ。
ララ「さあ、色々あって第一の魔王との対決です!」
四人の前には大きな魔王が立っていた。
キヨシ「いや、随分端折ったな」
魔王「フハハハハハ……よくここまでたどり着いたな。私が相手をしてやろう。フハハハハハハハハハゴホッゴホッ」
咳き込む魔王。
キヨシ「最後で台無しだな」
ジロウ「高笑い苦手ならしなきゃいいのに」
ララ「さ、バトルに行きましょう」
ヒデオ「ああ……でもなあ………やる気が出ねーんだよなー」
キヨシ「どうしたんだ?」
ヒデオ「いや、普通の若い男みたいな魔王だからさ」
ララ「それがどうかしたんですか?」
ヒデオ「いや、異世界の魔王といえば、ロリ系の魔王だって相場は決まってるだろ」
キヨシ「いや、そんなことはないだろ」
ヒデオ「ロリ系の魔王がジジイ言葉とかで話すのがロマンだろ」
キヨシ「ロマンなの?お前のロマンそれでいいの?」
ジロウ「まあ、なんとなく分かるけどさ。それで、魔王のバトルって普通の魔物とのバトルと違うって聞いたことあんだけど」
キヨシ「あ、そうなの?」
ララ「はい。お互いに必殺技を繰り出して、その威力と芸術点で競います」
キヨシ「芸術点?誰が採点するんだよ」
ララ「あ、魔王が必殺技を繰り出してきますよ!」
魔王の体の周りに闇の波動のようなものが見える。魔王が手を振りかざすと、闇のエネルギ―が稲妻のような形で繰り出された。
魔王「
キヨシ「文字とルビ一致してなくね⁉」
ジロウ「……さすが魔王だな。威力はかなりあるな」
キヨシ「いや、技名はくそダサいけどな」
ヒデオ「よし、今度は俺たちだな」
ジロウ「任せろ。……
キヨシ「……?どんな技なんだ」
ジロウ「これから一生同じものしか食べられないとするなら、何を選ぶ、という選択を迫る技だ」
キヨシ「小学生かよ!」
ララ「ちなみに選択肢は?」
ジロウ「ブリゾーラとクファシニツァの二択だ」
キヨシ「聞いたことない料理だな⁉どこの料理だよ!」
魔王「うーん……迷うな……」
キヨシ「律儀に選ぶんかい!」
ヒデオ「重ねて俺も技を出すぞ。水の大鎌!」
その名の通り、空中に鎌の形を模した水の塊が出現し、魔王を斬りつけた。
ララ「中々の大技ですね。あれを喰らうのは、二日酔いのゴリラに南極でレッグラリアットをされる痛みと同じだそうです」
キヨシ「いや例えが全然分かんねえ!」
魔王「もしくは裸足でレゴを踏んづけた痛みの27.25倍だ」
キヨシ「その値はどっから出たんだよ!」
ジロウ「うーん……俺たちの技を喰らってもまだピンピンしてるな」
ヒデオ「さすが魔王だな」
ララ「こうなったら私の究極魔法を使いましょう」
ララはどこからかノートらしきものを取り出す。
キヨシ「それは?」
ララ「これは魔王が中学生くらいの時に書いた秘密のノートです。これを今から読み上げます。その名も、『
魔王「ま、待ってくれ!それを読まれるのは恥ずかしいからやめてくれ!降参するから!」
慌てだす魔王。
ララ「フッ……これで決着がつきましたね。これで第一の魔王城攻略です!」
キヨシ「こんな終わり方かよ!っていうか芸術点はどうなった⁉」
第十七話おわり
異世界道中膝栗毛 安茂里茂 @amorisigeru
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