第十五話

登場人物紹介

 キヨシ……職業不定。旅行で北海道に行ったことがある。

 ジロウ……職業勇者。旅行でオーストラリアに行ったことがある。

 ヒデオ……職業賢者。旅行で○ィズニーランドに行ったことがある。

 ララ ……女神。旅行先で彼氏の浮気現場に遭遇したことがある。



ララ「あそこに見えるのが魔王城になります」


ジロウ「あーあれね。いかにも、って感じの城だな」


ヒデオ「……あれ?なんか城の前に人がいるな」


 いかにもな魔王城の門の前に、三人の男と一人の女、そして一匹の犬がいた。


男①「魔王を倒したら、伝えたいことがあるんだけれどいいかな」


 女がうなずく。


ジロウ「おい大丈夫か?あんな死亡フラグの塊みたいな発言しているけど」


ララ「まあ、大丈夫でしょう。そもそも死んだりするようなシリアス展開もないですし、さくっと教会で生き返ることができる設定なんで」


キヨシ「そういうメタ発言やめません?」


女「それじゃあいこっか。回復はまかせてね」


ジロウ「あの女の子はどうやら僧侶っぽいな」


男②「防御は任せとけ」


ヒデオ「男②はタンク役みたいだな」


キヨシ「男②って」


男①「占いは任してくれ」


キヨシ「占い?敵の攻撃を占うとかそういうことか?」


ララ「いえ、茶葉占いとか落ち葉占いとかが得意だそうです」


キヨシ「占いの種類がまず特殊じゃないか?」


ジロウ「その占いでどうバトルに役立てるんだ?」


ララ「敵モンスターを占って、ネガティブなことを言ってメンタルを攻撃するスタイルですね」


キヨシ「そういう戦い方⁉」


男①「よし、魔王を倒して仲間にかけられた呪いを解除しよう!」


ヒデオ「呪い?もしかしてあの犬って呪いをかけられたパーティーメンバーとかなのか?」


ララ「ちょっと見てみますね。……あの犬は違いますね。呪いをかけられているのは男②ですね。自動ドアが毎回すんなり開かない呪いにかかってますね」


キヨシ「特殊な呪いだな!」


ジロウ「っていうかこの世界に自動ドアとかなくね?」


 男①と女、男②は魔王城の中へと入っていく。


ヒデオ「あれ?男③と犬は一緒のパーティーじゃねーのか?」


ララ「違いますね。あの男③は犬の散歩に来てるだけですね」


キヨシ「なぜ魔王城まで散歩しに?」


ララ「なんか魔王城に挑もうとしている若いパーティーを見るとご飯が進むそうです」


キヨシ「やべー奴じゃねーか」


 男③は犬と一緒に帰っていく。


ヒデオ「じゃそろそろ魔王城に行くか」


ララ「あ、ちょっと待ってもらっていいですか。今行くとさっきのパーティーと鉢合わせになるので、ちょっと待つ必要がありますね」


ジロウ「待つって外でか?結構時間かかるんじゃねーの?」


ララ「それは大丈夫です。入り口に待合室があります。ソファがありますし、マンガや雑誌が置いてありますよ」


キヨシ「美容室かなんかなの⁉」



第十五話おわり


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