第十話

登場人物紹介

キヨシ……ツッコミ役。ジロウとヒデオの巻き添えで起こられたことがある。

ジロウ……勇者役。遅刻して怒られたことがある。

ヒデオ……賢者役。教室の花瓶を割って怒られたことがある。

ララ ……女神役。凍らせたポカリの上澄み液だけを飲んで怒られたことがある。

ミク ……新米冒険者。ポニーテール。

マナ ……新米冒険者。ツインテール。

デュナシス……魔王軍幹部。若手。

ネレウス……魔王軍幹部。デュナシスの上司。



 街の外を歩いていると、どこかで見たことのある魔人がいた。


ヒデオ「おい、あれって魔王軍の幹部の奴じゃないか?」


ルル「そうですね。デュナシスですね。もう一人は同じく魔王軍幹部のネレウスですね。ネレウスは幹部の中でも最古参の人物だったはずです」


 ネレウスは椅子に座っていて、デュナシスはそのそばで直立不動の姿勢で立っている。


ジロウ「なんかデュナシスが怒られてるっぽいな」


ネレウス「おい、聞いたぞ。お前新人冒険者に会ったんだってな」


デュナシス「は、はい……」


 デュナシスが新人冒険者に会って負けたことについては第四話参照。


ネレウス「そこで普通に戦って、普通に負けたんだってな」


デュナシス「ま、まあ、はい、そうですね」


ネレウス「なんで普通に戦ってんだ!スライムとか触手系のモンスターを使えよ!女キャラとの戦いなんだから、お色気チャンスだろ!」


キヨシ「そこでキレてんの⁉」


デュナシス「はい、すいませんでした。次戦う時はしっかりと服を脱いで筋肉アピールをします」


キヨシ「いやお前のお色気はいらねーよ!」


ネレウス「気をつけろよ?次同じようなことしたらヌルモッパにするぞコラ!」


キヨシ「ヌルモッパってなんだよ⁉」


ネレウス「それとまだ怒ってることがあるんだが、分かるか?」


デュナシス「い、いえ、分かりません」


ネレウス「昨日のこと覚えてないのか?お前は魔王軍幹部として許されないことをしただろ」


デュナシス「……も、申し訳ありません。分かりません」


ネレウス「俺の新品の消しゴムの̚カドを全部使っただろーが!」


キヨシ「いや小せえな!つーか魔王軍幹部関係ねぇ!」


 そんなネレウスとデュナシスの近くに二人の冒険者の姿が。


ジロウ「あ、あれって新米冒険者のミク&マナじゃね?」


キヨシ「そんなキャッチ―な呼び方してたっけ?」


 マナとミクは前方にいるネレウスとデュナシスに気がつく。


マナ「ミクちゃん、あれはたしか魔王軍幹部の魔人だよ」


ミク「そうだね。ここは新しく手に入れた武器の出番だね」


マナ「そうだね!私の新しい武器の、タンスのカドに小指をぶつけた痛みを常に与え続ける呪いの剣を使ってみるね」


ミク「私はこの刃全体に激辛ハバネロが塗ってあるおかげで、斬られた傷から激痛が襲う鎌を使ってみるね」


キヨシ「使う武器のクセがすごくない⁉」


 マナは剣でネレウスに斬りかかる。ネレウスはよけるが、斬撃を少し食らってしまう。


ネレウス「がっ……こ、小指が痛いー……やられた―」


 足の小指をおさえながらうずくまるネレウス。次の瞬間、

 ドカーン!

 と爆発が起こる


キヨシ「なんで⁉」


 同じくミクはデュナシスに攻撃を仕掛ける。が、デュナシスは上手く攻撃を避けている。


ミク「うーん……中々攻撃が当たらないなー……よし、こうなったら奥の手ね」

 

 ミクは赤い液体の入った瓶を取り出し、蓋を開けてその液体をデュナシスに振りかける。デュナシスはすべての液体をよけきれず、かかってしまう。



デュナシス「ひー……からくてヒリヒリするー……やられたー」


 ドカーン!

 デュナシスも同様に爆発と共に消えていった。


キヨシ「だからなんでだよ!お前ら戦隊モノの悪役か!」





第十話おわり






 







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