第九話
登場人物紹介
キヨシ……新米ツッコミ者。朝食はご飯派。
ジロウ……新米勇者。朝食はパン派。
ヒデオ……新米賢者。朝食はコーンフレーク派。
ララ ……新米女神。朝はスムージーだけ、とか言ってみたい。
村に入ったキヨシ達はとりあえず宿屋に入った。
店主「いらっしゃいませ。夜逃げの方々でしょうか?」
キヨシ「違いますけど⁉」
ララ「普通に宿泊です。部屋を二つ取りたいんですけど、空いてますか?」
店主「二部屋ですね……実は一部屋いわくつきなのですが、よろしいでしょうか?」
ジロウ「いわくつきって……幽霊が出てくるんですか?」
店主「いえ、壊れかけのラジオが部屋にたくさんあります」
キヨシ「なんでだよ⁉︎」
店主「失礼、間違えました。壊れかけのレディオでした」
キヨシ「そこはどうでもいいよ!」
ヒデオ「もしかして、真夜中にそのラジオから幽霊の声が聞こえるとか?」
店主「いえ、壊れてるので、何も聞こえません」
キヨシ「じゃあ捨てろよ!っていうか、壊れかけじゃなくて壊れてんじゃん!」
ララ「もうその部屋でいいので、手続きお願いします」
店主「はい、かしこまりました。……それと、朝食のサービスがあるのですが、いかがなさいますか?」
ララ「それじゃお願いします。晩ご飯は出ないんですか?」
店主「はい、夕食は前もって予約していただかないといけなくて。誠に申し訳ないのですが、三軒隣に酒場があるので、そちらでお願いいたします。朝食はフロントの奥にある食堂にて召し上がることができます」
ジロウ「はーい」
店主「朝食なのですが、二種類から選ぶことができます」
ヒデオ「パンとごはんの二つから選ぶとか?」
店主「いえ、そうではなく、料理をする際のコックの服装をチャイナ服とメイド服の二種類から選べます」
キヨシ「どういう選択肢だよ⁉」
ヒデオ「料理するのは女の人なんですか?」
店主「いえ、五十をすぎたはげて太ったおっさんです」
キヨシ「誰得だよ⁉」
ジロウ「選ばなくちゃいけないんですか?」
店主「ご要望が無い場合は、スク水になりますね」
キヨシ「ひどくなってるけど⁉誰も見たくねーよ!」
ヒデオ「じゃあチャイナ服で」
キヨシ「選ぶのかよ!」
店主「そして、当店は温泉が自慢です」
ジロウ「あ、そうなんすか。露天風呂とか?」
店主「はい。ここの近くに火山があり、そのマグマで温められたぐちょぐちょの源泉を垂れ流ししている温泉になります」
キヨシ「嫌な擬音だな!」
店主「でもあれですよ?しっかりとした効能もありますから」
ヒデオ「肩こり腰痛に効くみたいな?」
店主「ここの温泉は、右足の薬指の痛みに効きます」
キヨシ「そんなピンポイントなとこだけなの⁉」
第九話おわり
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