異世界道中膝栗毛

第七話

登場人物

キヨシ……新米冒険者　職業なし。好きな言葉はいのちだいじに。　

ジロウ……新米冒険者　職業勇者。好きな言葉はガンガンいこうぜ。

ヒデオ……新米冒険者　職業賢者。好きな言葉はバッチリがんばれ。

ララ　……新米女神　　職業女神。好きな言葉は私の分までがんばって。

　キヨシ達四人は晴れてギルドメンバーとなった。

　そして、早速クエストを請けるため、ギルドに顔を出していた。

ララ「クエストは、ここにある紙の中から選んでいくスタイルです」

ヒデオ「あーよくあるスタイルだね。んーどれがいいかな」

ジロウ「これとかいいんじゃねーの？」

【クエスト依頼】

　畑を襲うジャイアントフロッシュの討伐依頼。一匹につき1万セレネ。

ヒデオ「おーいいかもな。1万セレネってことは、1万円くらいの値段だし、ちょうどいいと思う」

ララ「ちょっと微妙ですね」

ジロウ「そうなの？なんで？」

ララ「ジャイアントフロッシュというのは皆さんの世界で言う蛙が大きくなったようなモンスターなんです」

ヒデオ「それが？」

ララ「最初のクエストが大きい蛙みたいなモンスターの討伐って、“このすば”じゃないですか」

キヨシ「んー……いや、そんなことないと思うけど……まあ……」

ララ「というわけで、こういうクエストが良いと思います」

【クエスト依頼】

　明日の朝の分の牛乳を買ってきてください。おつりを報酬としてお渡しします。

キヨシ「ただのおつかいじゃねーか！」

ララ「ではこちらは？」

【クエスト依頼】

　授業で使うサランラップの芯の調達。報酬は聖剣エクスカリバー。

キヨシ「小学生か！っていうか報酬おかしくないか⁉」

ララ「それなら……」

【クエスト依頼】

　むラの人ビとＷＯおソうもンすＴＡ－を倒ＳＩてクだサイ。

キヨシ「読みづらい！ひらがなカタカナローマ字入り乱れすぎ！」

ヒデオ「そんならこれはどうだ！」

【クエスト依頼】

　最近お母さんの作る弁当の味付けが濃い気がします。どうにかしてください。

キヨシ「知らねーよ！自分で言え！」

ジロウ「じゃあこれは？」

【クエスト依頼】

　台所の水回りの汚れが取れません。どうすればいいですか。

キヨシ「こんな依頼しかないのかよ⁉もういいよ！」

【クエスト依頼】

　もうすぐ僕の誕生日なのですが、友達もおらず、祝ってくれる人がいないので、誕生日会を開いて欲しいです。

キヨシ「なんか切ないわ！」

【クエスト依頼】

　三回勝った魚ってなーんだ？

キヨシ「なぞなぞかよ！」

ヒデオ「サンショウウオ（三勝、魚）」

キヨシ「答えんのかよ！」

【クエスト依頼】

　正解！

キヨシ「なんで正解するって知ってんだよ！」

ララ「あの～……」

ジロウ「どうかしました？」

ララ「飽きたんで帰っていいですか？」

キヨシ「自由か！」

　ちなみにクエストは、とある村近くに現れる、フィアスウルフの討伐に決まった。

第七話おわり