第三話

登場人物

キヨシ……新米冒険者 職業不定  

ジロウ……新米冒険者 職業勇者  

ヒデオ……新米冒険者 職業賢者 

ララ ……新米女神  三人のサポート役



 四人は町の外に出ていた。


ララ「では、モンスターとの戦いに挑みましょうか。そんなに強いモンスターではないので、まずは武器での攻撃に慣れてみましょうか」


 四人の前にはいわゆるスライムが数匹いた。

 ジロウは長剣、ヒデオは杖を構え、バトルに備える。キヨシは特に武器がないので、少し後ろで見守る。


 一匹のスライムがジロウの方へと向かって跳ねる。ジロウは右手に持った長剣ではなく、左手に持った小型拳銃の引き金を引いた。

 パーン!と大きな音とともにスライムは飛び散った。


キヨシ「いや、剣を使わねーのかよ!」


 別のスライムがヒデオの方へと向かう。ヒデオは持っていた杖をどこかにしまい、スナイパーが使いそうなライフルでスライムを倒す。


キヨシ「お前もか!つーかいつの間にその拳銃用意したんだよ」


ララ「……まあ、一応この世界にも、拳銃やライフルといった武器はありますけど……ただ、この世界は剣と魔法の世界なんですけどね」


 そんなことを言っているララに、三匹ほどのスライムが向かってくる。ララは1メートル以上はありそうなバズーカを抱え、スライムたちに向かって撃つ。

 ドガーン!という爆音とともに、スライムたちは跡形もなく消えた。


キヨシ「あんたが一番ゴツイ武器使ってんじゃねーか!つーかここ一帯が焼け野原になってんだけど⁉オーバーキルにもほどがあるだろ!」

 




 場所を変えて。


ララ「それでは、今度は呪文や特別スキルを使ってみましょう」


ジロウ「呪文は分かるけど、特別スキルってなんだ?」


ララ「特別スキルは、その職業の人が使えるスキルのことです。呪文があまり使えない、勇者の方でも特別スキルはありますよ」


ジロウ「へー」


 四人の前に子猿のようなモンスターが数匹現れた。


ヒデオ「じゃあ、ちょっと魔法を使ってみようかな」


 ヒデオは少し前に出る。


ヒデオ「ファイヤー!」


 とヒデオが声を出すと、そこそこ大きな火の玉がモンスターめがけて飛び、当たった子猿のモンスターは一撃で倒れる。


ジロウ「じゃあ、俺は特別スキルでも使ってみようかな。……えい!」


 ジロウの体が一瞬光る。


キヨシ「……?今のは何だ?」


ジロウ「ああ、最近便秘気味だったから、お通じの良くなるスキルを使ったんだ」


キヨシ「それ今必要あんのか⁉」


ジロウ「ちなみに、スキル名は『封印されしものを開放する力』だ」


キヨシ「無駄にスキル名は気合入ってんな。絶対バトルで必要ないだろ」


 まだ倒されていないモンスターが近づいてくる。


ララ「では、私も……ジャッジメントインフィニティスーパーファイナルジャッジメントロイヤルブリザードジャッジメントライトセンセーショナルファイヤージャッジメントダークサンダー!!」


 という呪文を唱えると、とてつもない爆音と爆風とともに、モンスターたちに大きな雷が落ちる。モンスターたちは一つの肉片も残さず消えていた。


キヨシ「だからオーバーキル過ぎるんだよ!近くの森も焼け野原になってんじゃねーか!あと技の名前が長ぇよ!ついでに言うと、ジャッジメント何回言うんだよ!」


ララ「……キヨシさん。ツッコミがくどくて長いです」


キヨシ「やかましいわ!」



第三話おわり


 

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