第二話
登場人物
キヨシ……異世界に召喚された男子高校生。職業不定。
ジロウ……異世界に召喚された男子高校生。職業勇者。
ヒデオ……異世界に召喚された男子高校生。職業賢者。
セレネ……三人を異世界に呼んだ女神。
ララ ……セレネの後輩女神。
三人はとある村に転送された。
セレネ「みなさん、ここはRPGで言う所の、初めの町です。その名も『ハジメマーシテ町』です」
キヨシ「雑なネーミングだな」
セレネ「そして、ここでまず装備等を揃え、比較的倒しやすいモンスターでバトルに慣れてもらい、冒険の足掛かりにしてもらいたいと思います」
ジロウ「なるほど。それで、後ろの女性は?」
セレネの後ろに、セレネと似た格好をした美女が立っていた。
セレネ「はい、私の後輩女神のララです。私もみなさんの冒険のサポートをいたしたいのですが、幾分忙しいため、この後の冒険はこのララがサポートいたします」
ララ「よろしくお願いします」
ヒデオ「よろしくー」
セレネ「それでは、みなさまの活躍を祈っております」
セレネの体が光に包まれたかと思うと、姿が無くなっていた。
ジロウ「行っちゃった。……忙しいって言ってたけど、女神って色々やることがあるの?」
ララ「そうですね……先輩はこれから帰って海外ドラマを見ると思います」
キヨシ「めちゃくちゃ暇じゃねーか。世界の危機じゃねーのかよ」
三人はララに連れられて、武器屋に到着する。武器屋には、四十代のおじさんが立っていた。
店主「いらっしゃーい。私がこの店の店主です。武器をお求めで?」
ララ「はい。こちらの方々の武器をお願いしたく……」
店主「なるほど、なるほど。お客様は見た所、勇者と賢者さんですね……」
店主は一度奥の方に行き、いくつか武器を持って戻ってきた。
店主「まずおすすめしたいのは、このムチですね」
ジロウ「ムチすっか。いやまあ、武器でしょうけど、勇者の持つ武器としてはあんま想像つかない気が……」
店主「たしかに、そう思う気持ちもわかります。しかし、ムチと言う武器は単体攻撃だけじゃなく、複数攻撃も可能ですし、剣よりもある程度距離がある状態で使用出来たりもします。……それでも不安でしたら、一度試しに使ってみてはいかがでしょう?」
そう言って床の上に四つん這いになる店主。
店主「さあ!そのムチで私を思いっきり叩いてください!」
キヨシ「いきなり何言ってんだ!」
店主「大丈夫です!ムチで叩かれるのはむしろご褒美なんで!」
キヨシ「ド変態じゃねーか!全然大丈夫じゃねーよ!」
なんやかんやあった後。
ジロウ「じゃあ、俺はこの『聖なる剣』にする。…で、ヒデオは?」
ララ「ヒデオさんは賢者ですから、杖など、魔法が使いやすい武器が良いかと……」
店主「それでしたら、有名な杖職人が作った、この『魔法使いの杖』とかいかがでしょう?この杖で叩かれると最高です!」
キヨシ「お前の感想じゃねーか!」
なんやかんやあった後。
ヒデオ「じゃあ、俺はこの『大賢者の杖』にする。……キヨシは?」
ララ「えーっと、キヨシさんはその……職業がないので……」
キヨシ「あーあれだろ?無職だから、持てる武器がないとか」
店主「この店には、どんな方でも使える武器がありますよ。そうですね……この縄とかどうです?私はこの縄で縛られたいです!」
キヨシ「お前の願望は聞いてねーよ!もうお前帰れ!」
第二話おわり
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