異世界道中膝栗毛

安茂里茂

第一話

 登場人物

 キヨシ……異世界についでとして召喚される。17歳

 ジロウ……異世界に勇者として召喚される。 17歳

 ヒデオ……異世界に賢者として召喚される。 17歳

 セレネ……三人を異世界召喚した女神    年齢不詳






 学校の帰り道、それは突然起こった。

 いつものように帰っていたキヨシたち三人を眩い光がつつんだ。


ジロウ「な、なんだ⁉」


 三人はいつの間にか、神殿のような場所にきていた。そして、三人の目の前には、金髪の美女が立っていた。


ヒデオ「……えーっと、あなたは?というかここはどこですか?」


 何が起こったのかよく分かってない三人に、金髪美女はやさしく微笑みかけ、


セレネ「突然のことで驚いていることでしょう。私は女神セレネ。あなた達に世界を救ってほしくて、召喚いたしました」


ジロウ「世界を……?」


セレネ「はい。あなた方がいた日本とは全く別の世界、メフィスト界を救ってほしいのです」


ヒデオ「はあ……」


ジロウ「つまり異世界召喚ってことっすか」


セレネ「はい。ここ日本は、そういった異世界召喚、異世界転生の理解があると思いまして、日本人であるあなた達を選びました」


ヒデオ「世界を救うって、具体的にはどういうことっすか?」


セレネ「メフィスト界に凶悪な魔王が現れて、その魔王が色々と悪さをして、なんかやばい状況が続いているのです」


キヨシ「なんかやばい状況ってなんだよ。その辺具体的に説明しろよ」


ヒデオ「その世界は魔法とか使えるの?」


セレネ「はい。職業によって変わりますが、ヒデオさんの適正は賢者なので、魔法が得意な職業ですね」


ジロウ「……世界を救うのはいいとして、モンスターとのバトルで命を落とすこととかないのか?」


セレネ「女神の力で何度でも生き返ることは可能です。でもモンスターに攻撃されて、モッヌンされることはあると思いますが」


キヨシ「モッヌンって何!?聞いたことない擬音なんだけど!」


 ジロウはいまだ難しい顔をしている。


ヒデオ「ジロウ、迷ってるのか?異世界召喚なんて面白そうじゃん。ねえ、女神さん。世界を救ったら日本に帰れるんでしょ?」


セレネ「はい、もちろん。ヒデオさんは異世界召喚してもよろしいということですね?」


ヒデオ「うん。こんな機会ないもんね」


セレネ「ジロウさんは?」


ジロウ「うーん……まったく知らない世界だもんな……文化とかも違うだろうし……そんな即答できない」


セレネ「ジロウさんの適正職業は勇者なので、バトルで活躍間違いなしですよ。そして、召喚者特典として、高ステータス状態で異世界に行けます」


ジロウ「……うーん……」


セレネ「……ジロウさんは勇者として、バトルに活躍できます。そうすると、あっちの世界でいろんな美女にモテます。そうなれば、おっぱい揉み放題です」


 ジロウは食い気味で、


ジロウ「あ、行きます。超行きます」


キヨシ「即答!おっぱいにつられるって思春期真っただ中か!いや、女神の誘い方もあれだけど!」


 ヒデオはキヨシの方を指さし、


ヒデオ「それで、キヨシの適正は?俺は賢者で、ジロウは勇者だけど」


 セレネはその発言で、ようやくキヨシの存在に気がつく。


セレネ「あ、キヨシさん……ですね……人数的には二人で充分なんですけど……まあ、ついでとして一応召喚しておきますね」


キヨシ「ついでかよ!」


セレネ「えーっと、職業ですけど……まあ、とりあえず職業不定ということで」


キヨシ「無職かよ‼」




第一話おわり

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