第19話 変態が居る
俺と安藤はホビーショップ。
そして白夜と河瀬については洋服を見に行った。
安藤は趣味の色々を探している。
というか初めて知ったのだが、安藤ってミニチュア好きなのな。
ホビーショップのミニチュアの棚を見ていてそう思った。
「.....何だこれ?」
「これはリー○ントっつーミニチュアだ。可愛いだろ」
「お前.....美少女フィギュアとかしかに興味有るかと思ったら違うのかよ。なんか意外だ」
「お前よ、失礼にも程が有るぞ。俺が美少女フィギュアばかり集めているとは限らんぞ」
安藤はジト目で俺を見てくる。
いや、つーか。
その言い方だと美少女フィギュアも集めている事になるんだが。
まぁ俺もラノベが好きだから問題は無いかも知れないが。
しかし.....彼女出来たし、そろそろラノベも卒業かな。
俺は顎に手を添えつつ考えながら安藤を見る。
「.....安藤。目が輝いてんな」
「.....おう。可愛いじゃねーか。ミニチュア」
「.....まぁゆっくりやれ」
とりま、俺は別の場所見てくるわ。
と膝に手を当てて眺めている安藤の背中を叩いて声を掛けてそのまま美少女フィギュアの棚までやって来た。
俺の好きな美少女フィギュアは置いてあるか.....な?
「.....」
美少女フィギュアの陳列棚の付近。
子供を連れた親子が見ちゃいけませんと言っている。
丸眼鏡のいかにも美少女フィギュアに興味も無さそうな.....感じのカジュアルな服装の少女が居るが俺は眉を顰める。
なぜ顰めたかって?簡単だ。
「ハァハァ.....」
「.....」
周りがドン引きする程に息が荒い。
紅潮させて、息を荒くして美少女のパンツを拝んでいる。
何だこの変態?
俺は思いながら見つめていると。
店員が声を掛けた。
堪らないという感じで、だ。
「あの、お客様。他のお客様が怯えていますので.....」
「あ、す、す、すいません!私パンツ.....じゃ無くて!」
うわー最低だ。
俺はその様に思いながら青ざめたまま去って行く。
すると誰かに肩を掴まれた。
俺はグイッと引き寄せられる。
「.....!?.....は!?」
「貴方、私を見てましたよね!?貴方もおぱんちゅ好きなのですか!?」
その変態が俺に声を掛けてきやがったのだ。
俺はその少女に青ざめながら首を振る。
一心不乱に振る。
だが少女は俺を無視で何か語り始める。
語り始めやがった。
「ああ神聖な美少女!その下着の精密さ!まさに素晴らしいと思いませんか!?」
即刻、俺は走って逃げた。
アイツ、マジに逝かれてやがる!
俺は安藤の元に戻らず、男子トイレまで駆け込んだ。
世の中には色々な奴が居るとは聞くがこれは酷すぎる。
「.....ハァハァ.....」
ったく。
今日はなんつう日だ。
俺は考えながら、スマホを見た。
スマホにメッセージが入っている。
(ななちゃんと一緒に写真。お兄ちゃん)
「.....アイツめ」
俺は和かに見つめる。
奈々と流星が記念に写真を撮ったのだろう。
そこにはそんな感じでピースサインで二人で写っていた。
俺は.....スマホを見つめる。
「.....」
『貴方がお兄ちゃん?』
「.....変わったもんだな。あの頃とは」
流星はやって来た当初は俺と馴染めなかったのだ。
俺も流星を敵視していたが。
それが打ち解けて今に至るが。
有り得ないな、当時からしては。
「.....」
「あの!」
「.....?」
背後から声がした。
俺は背後を見る。
そこに何故か、あの丸眼鏡の少女が居た。
こ、こ、コイツ!!!!?
何やってんだこの馬鹿!
「お前!男子トイレに入る馬鹿が有るか!消えろアホ!」
「いえ。まだ素晴らしいお話は終わってませんので私はやって来ました」
「馬鹿か!お巡りさん!変態が居る!!!!!」
何を言って.....卑怯な手を!
と俺の口を塞ごうとする、少女。
そんな感じで暴れていると男の声がして来た。
俺は咄嗟に少女の口を塞ぎ.....個室に押し込んでしまい。
「.....むぐ!」
「静かにしろ.....お前、バレたら警察に通報されっぞ.....!」
警察なんて屁でも有りませんと小さく聞こえた気がしたが。
俺はそれを無視して下に居る少女の口を塞ぎ続ける。
そして俺は壁を見る。
つまり、下の便器に少女、上に跨る様に俺。
そんな感じだ。
「でさぁ」
「へぇ?そんなことあったんか?」
男の声が消えない。
クソッ、何時までダベっているつもりだ。
とんだ野郎共め。
俺は少女の口を塞ぎ続ける。
そんな少女は俺を見つめていた。
何だコイツ、そんなに見るな。
「貴方.....」
「.....何だ」
「.....彼氏だった人ですかね?」
何を言ってんだコイツ。
俺は何時までこの馬鹿の相手をしなくちゃいけないんだ?
その様に思いながら頭に手を添えた。
マジで頭が痛いんだが。
とんだサバイバルは十分程、続き。
俺達は男子トイレをで.....
安藤が目の前に居た。
俺と少女を交互に見て唖然としている。
「.....何をやってんだ.....谷川。トイレに行こうとしたんだが.....」
「.....あ、安藤?違う。お前は何かを勘違いしているぞ.....」
俺の言葉にぎこちなくスマホを取り出した、安藤。
そして110をプッシュし.....お前!!!!!
俺はそのまま安藤をぶん殴った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます