第十八話『蒼き月の憂鬱』

「今週の消費魔鉄の計上と来週分の発注、魔鉄加工科の子たちの作品出品手続きの書類に判子、家庭科室今月三回目の炎上の修復代計上……」


 深夜。天頂も間近な青い月。

 聖玉学園中央棟の、最も高い位置にありながら、最も質素な部屋から、涼やかな声が漏れ聞こえていた。

 

 背後に大きな窓がある以外には、シンプルな壁紙と黒いシックな本棚、それから執務机が置いてあるくらいの、本当に簡素なレイアウト。鈴の音を思わすその声は、そんな部屋の主である、一人の少女から放たれている。

 中東の空を思わす、深いコバルトブルーの髪。海を思わす青い瞳。とびっきりに可憐な顔立ちは、杭ノ瀬くいのせ蒼一郎そういちろうが初めて彼女に出会った時から、十年間ずっと変わっていない――彼女は魔女体質だ。十代の半ばで時の止まる、永遠の少女。


「先週の新入生テストの結果集計の記録、今年度予算案と現状のすりあわせ、ライオニアのフェニキウス財団に対して最新型グレナディンの運用データの報告……」


 その印象に反して、独り言の内容のほどはまるで可憐ではない。だいぶ世知辛いと言うか、ぶっちゃけると鬼気迫っているというか。ぶつぶつ、ぶつぶつと気の遠くなるような数の『予定』を列挙しながら、少女――魔女体質である彼女の実年齢が、自分よりも一歳下の二十五であること思うなら、この表現は正しくないような気がするが、まぁ女の子の年齢の話をするのは野暮であろう。もうしてるけど――聖玉学園理事長、相浦あいうら紺碧あおいは手元の電子端末のホロ・キーボードをかたかた弾く。


「それが終わったら来週末の理事長会合に向けた資料作成。五月の留学生受け入れに向けて、黒崎理事長お姉ちゃんへアドバイスをもらいに電話……ああもう、やることが多すぎます」


 おまけに、と彼女は言葉を切る。背もたれに投げ出された上体が、彼女にしては珍しい本気の疲労を表していた。電子端末の画面は、数日前に聖玉学園を襲った、とある事件に関しての報告書を映している。


「こんなときに地下ので戦闘騒ぎだなんて……嫌になりそうです」


 うあぁー……と情けない悲鳴を上げるさまが、いつも気丈でいじっぱりな彼女からは想像もできなくて、蒼一郎はつい笑い声をこぼしてしまった。恨みさえ籠った視線が飛んできた。いっけね。

 慌てて姿勢を正すと、貧弱なボキャブラリをひっくり返して、ねぎらいの言葉を探す。


「四月頭の理事長様は大変だな。やらなくちゃいけないことが山積みで」

「誰のせいだと思ってるんですか、全くもう……あ、先輩。そこの書類とっていただけますか」


 言外に「こんな忙しいときに訪ねてこないでください」と言われているようで若干傷つきながらも、染みついたパワー・バランスに突き動かされて、蒼一郎はうずたかく積まれた書類の中に手を突っ込む。

 正確に一枚だけを引き抜く技術は、他人が見れば、一体どういう手品だと目を剥くだろう。その『たった一枚』がどれであるかを、紺碧と蒼一郎が言葉に出さずに共有できている、という状況にも。


「ほい。これで合ってる? ……ていうか何その流れ。俺もしかして責められてんの?」

「ありがとうございます。それで合ってます……当たり前です。最初から先輩が動いてくれていれば、こんな厄介な事態にはならなかったはずです。というより先輩が『蒼騎士』の位と一緒に、理事長の座を継がなかったのがいけないんですよ? そのせいで私、今こんなに苦労してるんですからね」

「理不尽! 聞いたこともねぇ難癖の付け方!! 申し訳ないなとはちょっと思うけど!」


 これでも一応、《七彩の騎士セブンサーガ》。世界最強なんていう大それた肩書を貰っている製鉄師の一人なのだ。

 そりゃぁ、まあ、確かに、それっぽくないとはよく言われるけど。


 そんな蒼一郎の動揺に、耐えられなくなったのか。紺碧が急に、しかめっ面を崩して笑い出した。くすくすくす、と静かに笑う姿が妙に愛らしい。どうやら蒼一郎をからかいたかっただけらしい。こいつ……。


「冗談です。私が望んで継いだ仕事ですから。できなくなるまでやり遂げます」

「まぁそんなところだろうとは思った。びっくりしたー、紺碧が途中で仕事投げ出す悪い子になっちまったかと思ったぜ」

「何ですかそれ。先輩じゃないんですから」

「俺どういう風に見られてんの?」


 軽口を返しながら。二つの理由で胸をなでおろす。

 ひとつは、本当に彼女に恨まれているわけではないことに対して。

 もうひとつは……彼女が、そんな冗談を言えるくらいには余裕があることに対して。


 相浦紺碧が聖玉学園の理事長を務めているのは、五年前……彼女が二十歳になってからの話だ。父・相浦群青のあとを継いで、最年少の理事長として、全国十校のOI能力者育成学園、その頂点に立つ身になったのだ。

 

 ――先代の理事長は、『聖者』という言葉がよく似合う人だった。全ての子供たちが、自らの力で傷つかない世界をつくりたい……そんな理想を掲げて、日本皇国で最初の製鉄師になった男。誰もが声をそろえて「素晴らしい人だった」と褒め讃える、そういうひと。

 五年前、病で亡くなった彼の役職を継ぐ、と決めたとき、紺碧には相当な覚悟が必要だったはずだと、蒼一郎は推測している。偉大過ぎる父の背中を追うのは簡単ではない。ましてや二代目ともなれば、初代よりもよりよい学園運営をすることが求められる。蒼一郎は去年の春先まで、紺碧がその重圧に押しつぶされそうになっていたことを知っている。毎晩毎晩、泣いていた時期があることも知っている。


 けれど今の彼女は、そんな過去を感じさせないくらいには、理事長の立場に適応してきているように見えた。純粋に仕事を楽しめているというか……こうして、執務室で自分と談笑できているのもいい兆候だ。昔はこの部屋にいる間ずっとしかめっ面で、家に帰るまでは口も開かないくらいだったのに。


「……でも、先輩がいつでも傍にいてくれたらな、と思ったのは本当ですよ」


 そんな頃を思い出す、ちょっと気弱な口調で、一歳年下の恋人は打ち明けてきた。


「この齢になっても私、まだまだ未熟で……一人じゃ判断できないこと、沢山あります。今回だって、行方のしれない魔鉄犯罪者がいる、って報告を受けた時点で、地下室のことを気にするべきだったんです。私たち、あの場所が狙われやすいって知ってたはずなのに」


 一瞬焦った。地下施設……聖玉区を水害から守るための浄水設備にして、二十年前、聖玉学園を建造する際、地鎮祭の舞台となった『祭壇』。その詳細について、この子が知っていたのかとはやとちりしたから。

 けれどすぐに違うと思い出した。今でもはっきり覚えている、魔鉄暦二〇年、六月十八日――あの日の夜、蒼一郎と、紺碧と、それからは、あの地下室で、今報告書に乗っている神凪少年と同じように、海外の製鉄師としのぎを削り合ったのだ。紺碧が言っているのは、きっとそのこと。


 そしてあのときの『敵』は、今紺碧が頭を悩ませている乱闘騒ぎの犯人と、けっして無関係な勢力ではなかった。そのことを思い出したのかもしれない。

 おまけに今回は色々と、状況と条件が悪すぎた。なんというか、紺碧のトラウマを的確に刺激する要素が揃っていた、というか。


「この度の事件、解決したのは聖玉ウチの生徒です。彼らが優秀だったから良かったものの、もしも……学生から死者が出ていたらと思うと……」

「……紺碧」


 後ろから抱き締めてやりたい、という衝動が溢れ出て、実行にうつすところだった。生徒の死――それは紺碧が、なによりも恐れているできごとだ。『聖玉学園の製鉄師は、卒業生も含めて死亡率が極端に低い』……先代の群青理事長が打ち立てたその『神話』を、彼女はまだ、守りたいと思っている。去年の頭、その『神話』が崩れかけたときのことを、まだ心苦しく思っている。


 あのときは、蒼一郎が支えになって、なんとか彼女を慰めてやれた。今回もそれが必要かもしれない、と、そう思ったのだが。


 彼女が勢いよく、こちらを振り向いたせいで失敗に終わった。


「ねぇ、先輩。しばらく、皇国こっちに残ってもらえたりはしませんか」

「そいつはどうしてまた」

「胸騒ぎがするんです。今回みたいなことが、これから先、何度も起こるような……そんな予感が。私、そんな状況に生徒を置いていたくはありません。だからせめて、先輩の……『蒼騎士』の力が欲しい」


 はっ、と、思わず息を呑んだ。

 本当に勘の鋭い子だ。昔から、彼女には隠し事ができない。その胸騒ぎは決して嘘ではなく……そしていつか必ず、現実が虫の知らせに追いつく時がくると、蒼一郎は既に知っていた。

 

 だけど隠し通さなければならない。蒼一郎には、それだけの理由があった。

 他ならない、紺碧自身のために。



 ***



「紺碧から、学園の地下で戦闘があった理由を隠匿したい?」


 数日前――雄二・東子ペアと、ガルム・ヘレナペアによる鉄脈術戦が繰り広げられた、翌日の早朝。

 杭ノ瀬蒼一郎の姿は、皇都・東京は中枢、日本皇国の神話的側面全ての頂点に立つ人物の目の前にあった。


 雷、あるいは貴金属を思わす、黄金の髪。遠目に見れば稲穂ともとれる彼の瞳は、紺碧のそれとも、同じ《七彩の騎士》に何人かいる西洋系の面々のものとも異なる青色。瑠璃色、とでもいうのだろうか。

 魚の背びれのように後頭部の逆立った、不思議な癖毛をゆらした男は、つかみどころのない笑顔で頷いた。それは今ほど告げられた言葉が、信じがたいことに真実なのだということで。


「ああ。相浦理事長にこの国で一番近いのは君だ。そしてあの部屋の『真実』を、真っ先に彼女に明かしそうなのも君」


 男の名は、天孫あめみま青仁せいじ――六皇爵会議の頭首。この国で最も位の高い存在……当代の『天孫』である。

 何故そんな人物と、《七彩の騎士》とはいえ一応は一介の日本皇国民に過ぎない自分が面と向かって会話ができているのかといえば、まぁそこには色々と複雑かつ長ったらしい背景があるので割愛するとして。


 背後に銀とも白ともつかない髪の女性を従えて、青仁はにこにこ笑うだけ。どうやらこちらの言葉を待っているらしい。


「なんでそんなこと俺に言うんだ。あんた、俺とあいつの関係知ってるだろ」

「もちろん」

「言っとくけど、《七彩の騎士》にゃ権力にものを言わせた命令は効かねぇからな、天孫サマ」

「そのくらい分かっているよ。第一、君はもうにとってだ……ぼくの臣民じゃない。だから命令じゃなくて、『お願い』をしてるんじゃないか」


 相変わらず屁理屈の上手い男だ。そしてこちらの特性を良く把握している――蒼一郎が、そういう『お願い』を、特に理由がない限り断らないと知っているからこういうことが言えるのだ、この君主サマは。


 そうでもなければ、魍魎ひしめく、と噂される六皇爵家の当主たちをとりまとめたりなどできないのかもしれないが。それはそれとして純粋に腹が立つ。果たして一応の王様に対して懐く感情がそれでいいのかというのは置いておいて。


「『ラバルナの遺産』はこの国の運命を、それどころか世界の未来すらも変えかねない代物だ。今はまだ、不特定多数の目に止めるわけにはいかないんだよ。特に養成学園の理事長たちはマズい……ただでさえ我が国の魔鉄社会において、最も影響力のある十人だ。彼らに『遺産』のことを知られたら、色々と不都合が出て来てしまう」

「悪いけど、俺の行動の最優先事項は紺碧の安全と安心だ。学園の地下にそんなヤバいモノが埋まってるってんなら、俺はあいつに警告をする義務がある。もしもの時、その情報がなかったことで一番危険になるのは紺碧なんだ。悪いけど、あんたの『お願い』とやらは聞けないね」


 その『不都合』とやらの具体例を提示してくれるというのならまた話は別だろうが……蒼一郎は、青仁がそんな殊勝なことをする人間ではないと知っている。こいつは耳障りのいい言葉で、のらりくらりと相手を煙に巻くのが何より得意なのだ。自由と言えば聞こえはいいが、実際の所は核心を見せていないだけだ。見栄えのいいだけの詐欺である。


 同じ『自由人』の自覚があっても、自分とは真反対――この男のそういうところが、蒼一郎はどうにも好きになれなかった。


「どうだろう、蝙蝠の如く気の変わり易い君のことだ。意外と条件次第じゃ呑んでくれるんじゃないかなって思ってるよ、ぼくは」

「俺に紺碧を裏切れっていうのか? 聞けねぇぞ、それは」

「そういうところがやたら律儀なのが面白いよね。行く先々で女の子を引っかけて来る、なんだっけ……主人公体質ヒーローズゲノム? とはとても思えないや――でも、今回は君のその性質ありかたを利用させてもらうよ」


 青仁は、羽織りの下、袴に包まれた長い足を組み替えた。玉座の背もたれに体重を預けるのは、話題をずらす時の癖。そういうとき決まって、こいつは相手の心を掌握しに来る。


 果たして、彼が口にしたのは蒼一郎の意識を惹きつけるのに充分すぎた。


「欲しくはないかい、蒼一郎――人造魔女デミアールヴァ計画の資料。それも、『魔女の死体利用について』の」

「なんだと?」

「喰いついて来ると思った。君にとって、これは絶対に必要な情報だからね」


 括理くくり、と、青仁が背後の女性に声をかける。はい、とにこやかに微笑んで、彼女はエプロンドレスのポケットから、細い延べ棒状の魔鉄を取り出した。先が透けて見えそうなほどの澄んだ銀色――六皇爵家のひとつ、魔鉄加工業を司る石許理家のみが知り、技官ドヴェルグたちに授けられる秘伝、『破壊不能絶対性イモータル・オブジェクト』のイメージを込められたインゴットだ。蒼一郎の右腕にも嵌まっている、OICCの材料となる、この世で最も『硬い』金属。

 クリスタル状の見た目は、皇国内でよく使われているMACROMETHIS社製の情報記録媒体を模したものか。


「君の欲しがっているものはこの中にある。探してるんだろう? 契約者の延命と、君たちの未来を切り開く方法。君が恋人たちを愛していれば愛しているほど、この情報は絶対に必要なはずだ」

「……」

「安心してくれ。君の選択は結果的に、相浦理事長を守ることにも繋がるからね」


 『遺産』に関する情報は、全て六皇爵会議が握っている。彼らから管理を任されている八重鐵グループも、利益のためには他の勢力に『遺産』のことを明かしはしないだろう。 


「……けど、あんたらの情報隠蔽も万全とは言えないんだろ。みすみすマギ独立派の侵入を許すなんて――」

「ああ、それは心配いらないよ」


 苦し紛れに搾りだした蒼一郎の反論は、即答を以て叩き潰された。


「ガルム・ヴァナルガンドをこの国に招き入れたのは朕だからね」

「……なに?」

「彼は可愛いね。順次郎を使って流した情報に、まるで犬のように喰いついてくれた……いや、犬と言うにはちょっと狂暴すぎるけど」


 まるで「今日の料理は自分が作ったんだ」と明かすくらいの気軽さで成された、この国のトップでありながら、その安全を脅かす告白。


 思わず、装っていた他人行儀を脱ぎ捨て、蒼一郎は叫び返していた。


「青仁、お前……ッ! どういうつもりで!」

「決まってるじゃないか。『雄二と東子に勝ってほしかったから』。雄二には一刻も早く、会議に加われるだけの力を身に着けてもらわなくちゃいけないんだ……いろんな理由で、ね」


 もちろん一番は、東子と結婚できるようになってもらうためなんだけど。そう、朗らかに笑う様が、得体のしれない別の生き物であるかのようで。


 この男の、どうしてか誰とも契約できないオーバーワールドのことが脳裏によぎった。

 世界中のあらゆる存在が『怪物』に見える――「怪物に見えないもの」以外の全てに、何の価値も抱いていない、天孫青仁の本性。


「それ以外に理由が必要かな?」

「……そうかよ。お前はそういうやつだったな、そういや」


 ああ、思い出した。

 こいつは……十年前、杭ノ瀬蒼一郎と同じ教室で学び、同じ話題を共有し、そして時には屋上で一緒に飯を食いもした、かつて親友男は。


 自分と真反対でありながら、『愛する誰かの為に世界の全てを敵に回せる』――その一点に関してだけは、自分とまるきり同じ特性をもっていたことを。


 それで決意した。いいだろう。


「『蒼騎士』杭ノ瀬蒼一郎の名において、お前の企みに乗ってやる。俺もお前のところの『皇子様』にゃ、強くなってもらいたいしな」

「契約成立、だね。ふふっ、見てるところは全然違うみたいだけど」


 青仁が手をかざすと、またあの白い女性が進み出た。今度は何やら、飲み物の入ったグラスを持って来たらしい。身のこなしが本職のそれだ――普段はメイドでもやっているのだろうか。一切ブレない体幹に、一瞬生き人形の類かと思ったが……気配は全く別のものだった。ああなるほど、そういうことか。青仁の奴め、厄介な人材を引き入れやがって。


「新たなる秩序のために」

 

 グラスの片割れを掲げる青仁。

 乾杯、ではなく、異国風の物言いをするあたりが癪に障った。


「――人類秩序の為に」


 腹が立ったので、さして好きでもない《七彩の騎士》の理念を投げ返してやった。



 ***



 ――ごめんな紺碧。

 ――いつか絶対に謝るから。


 内心でそう、短く謝罪して。


「紺碧が俺と一緒にいたいだけ、って理由なら考えたかもしれねぇけどな~」

「なぁっ!?」


 今はおちゃらけた調子で、誤魔化すことに徹しようと思う。


「今の話の流れなら、そういう展開になるのかも、とかちょっと期待してたんだけどなぁ……いやぁ悲しい奴だなぁ俺も。仕事でしかカノジョに頼ってもらえないなんてな~」

「さ、最低です! いやらしい吸血鬼ひと……! もういいです。先輩には頼りません。学園は私一人で守ります」

「その意気だよ、理事長様」

「まったくもう……!」


 ぷい、とそっぽを向く紺碧の横顔。その愛おしさに――『蒼騎士』はひとつ、決意する。

 

 この先きっと、この日本皇国を火元として、世界中にとてつもない動乱が巻き起こる。そんな嵐の時代から、俺はきっと、この子を守り抜いてみせよう、と。


 一つだけの窓から射しこむ月は、そろそろ天頂を過ぎるころだった。

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