第2話 環境整備
キャンプ中の集団
大きく、質量が詰まった屈強な体躯の男たち
合宿中、昼食の支度の最中にあった
集団から少し離れた森林地帯、黒人の男がジョギングで汗を流していた
待ち構えるMに男は気づいた
Mの姿、死の放つオーラに即座に反応、格闘者の構えをとる男
自然体で男に近づいていくM
男は先手を打ち、Mの身体に強烈な前蹴りを放った
その頃、Mから少し離れた場所で、忍は作業をしていた
地上から役2メートルの高さにある木の枝を全て切りとる
対象の木は無差別ではなく、戦闘を想定した時に予測される、行動範囲内にある木を選んでいる
それが済めば、土や草むらの中に在る大きめな石を拾い集め、障害物を消していく
男はMの身体に密着、両手足を使い、Mに関節、絞め技を仕掛けていた
男が身を置く総合格闘技の世界、通常ならすでに決着がついているが、Mのパワーは技術を凌駕する
男の身体を持ち上げるM、天高く持ち上げ、速度をつけて地上へ叩き落とす
そこからさらに、持ち上げた男を横にブン投げた
木に叩きつけられる男
その木は枝が折られており、男が叩きつけらた地には、かつて埋まっていた石の跡が見えていた
感覚的に環境を知り尽くしているMは、違和感を覚えていた
相当なダメージを負いながらも、立ち上がる男
留めを刺すべく歩むMだったが、突然受けた背中への衝撃に足を止めた
Mの背中には1本の矢が刺さり、続けて2、三本と突き刺さっていく
後方を振り返ると、わずか先方に、忍が矢を射る姿を確認できた
走り寄る忍は叫んだ
「逃げろ!」
男は従い、森の中へ消えていった
Mの狙いはすでに忍へと移り、距離を縮めていくが、忍はじりじりと後退する
そして、男が逃げ切る時間を作り終えると、素早く身を翻して姿を消した
闇に潜む小屋
我が家へ帰ると、小さなポータブルテレビが置かれていた
そこから流れる映像と音声に注意を向けるM
モニターの中では、編集された断片的映像が写り変わり、人間やゴリラなどの動物が我が子を癒す姿や、戦争の悲惨さを象徴した模様が描かれていた
しばらく鑑賞していたMだったが、途中でテレビを手に取ると、躊躇なくそれを破壊した
それから腰を下ろし、重く沈んだように項垂れるM
両手で身体のあちこちをもみほぐしては眠りにつくのであった
同時刻、長身の木の上では、忍が眠っていた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます