害虫は駆除するもの、可愛い少女は愛でるもの

 ボクとチェルシーは今、花火大会の夜店を歩き回っている。

 ボクとしては、あのまま浴衣のチェルシーと愛し合って……いや、チェルシーがあれでボクを嫌いになったかもしれないから愛し合うというより、ボクが一方的に愛でる、と言うのが正解かもしれない……いたかったけどチェルシーが行きたいって言うからここに来ていた。

 ボクはこうして綿飴を口元によせるだけでチェルシーの淫らな顔や匂いを、さらに綿飴を頬張ればその味を思い出して二度ドキッてするのにチェルシーは……あれ? いない?!

 さっさと綿飴を食べながら辺りを見回す。綿飴を完食した頃、チェルシーがよってたかって襲われようとしているのを見つけた。

 綿飴の串で、チェルシーに近づいた上に触った害虫、いや、ゴミ以下共の位置をなぞって、串と共にその全てを塵にしたあと、瞬間移動テレポートしてチェルシーの手を取ってさらに瞬間移動する。



 二人になれる場所を思い浮かべてやってきたのは、お祭りの音が遠く聞こえる林の中だった。

 着いて早々ボクはチェルシーを抱きしめた。ちゃんと手の届くところにチェルシーがいるのを確認した後、チェルシーの手を握って、大丈夫? と尋ねる。

 うん、とチェルシーは答えたけど手は少し震えていた。

 より震えている手を片手で握って、空いた手でチェルシーの髪を撫でる。

 ボクのよしよしを受け入れてくれるチェルシーは、ただただ可愛くて……たまらずボクはこう言った。

「……ねぇ、キス、していい?」

 わがままで外道なボクに純潔どころかファーストキスまでもらわれることを受け入れてくれたチェルシー。

 ボクがまず選んだ、ただ唇同士が触れるだけのキスがもどかしくなって、舌を入りこませて互いの舌が触れあっただけで気づいた。

 やばい、これ止まらなくなるやつ。激しくなりすぎるのをこらえていると、息を忘れてチェルシーの酸素を求める。チェルシーの酸素を取り入れると、欲情の炎が燃え上がって激しくなってそれをこらえようとして……と悪循環。

 チェルシーの呼吸が辛そうになるのを感じて一度唇を放した。

 長くなっていくボクとチェルシーの舌をつなぐ糸を見やってからチェルシーの目を見てこう言う。

「ごめん、……やっぱりシたい。……いいよね?」


 さっきみたいなゴミ以下どころか、本当の害虫にすら、ボクらに近づかせない魔法をチェルシーの背にある木とボクら周辺に展開し、木の幹や枝等からつるを生やす魔法を行使して、チェルシーの手首と腰を縛る。

 浴衣とパンツをずらすと溢れる、名も分からない草に与えるにはもったいない雫を軽く独占して、キスしてた時から張りつめていたボクの本心で、溢れるチェルシーに栓をする。

「……ずいぶん濡れてたけど、……好きなの?」

 答えてくれないチェルシー。ボクのことが好きな訳ないと思いながら、何が好きなのかもっと深く聞いてみる。

 キスが好きなのか、ハグが好きなのか、浴衣のままするのが好きなのか、外でするのが好きなのか、縛られるのが好きなのか、とにかく、ボクが今までチェルシーにしたくなったからしたことを、全部聞いてみた。

 けど、どれを聞いても分からないって答えるチェルシー。

「ふーん……けどボク以外にあれこれされて、こんな風になったら、……ちょっと許せない」

 チェルシーの中が、性欲に従順なボクの形を覚えつつあるのを感じながら、チェルシーの浴衣を暴き、その下の白い肌に吸い付く。

 虫に刺されて痒い思いをするより、ボクに甘く噛まれて胸の奥やボクとの子を育む場所を疼かせて気持ちよくなっていればいい。

 チェルシーとの行為に溺れられる刹那の快楽に浸りながらボクの遺伝子達はチェルシーと結ばれにいった。


 ボクらの混ざりあった体液が草木などの栄養源になるのを見送ってから、チェルシーの顔を両手で包み、チェルシーの目を捉えながらボクはこう言葉を紡ぐ。

「こうして、ボクが堂々とキミの前にいられる間だけでいいからさ、キミはボクの、ボクだけのチェルシーでいて?」

 それからチェルシーと唇を重ね、チェルシーを縛るつたをほどいて、また髪を優しく撫でた。

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