第3話 眠れる少女と執事?
入学式から帰ってきたら、俺宛に留守番電話がきていた。
「留守番電話…?誰だ…?」
『やあ、乙部優君…だったかな。こんにちは、今日は君にある提案があってね。っとその前に、申し遅れたね先に名を名乗ろう、僕は月野グループ代表取締役の
月野…ってあの世界的に企業展開をしている超高級ホテル会社の月野グループ⁉
「そんな大企業の代表取締役が俺に何の用だよ…?」
『まあ、そんな話はどうでもいいのだがね。それよりも今日話す提案についての本題に入ろう。実は君の御父上、
「親父…」
正直、親父がここまで家族を想ってくれていたとは知らなかった。前は淡白で怖い雰囲気だったからだ。
『というわけで、優君。君には我が家の執事として働いて欲しいのだがどうだろうか?両親がいない分経済的には厳しいだろう?無論、給料は相応につけさせて貰おう。どうかね?』
「へ?執事?」
『実は伊蔵から君の家庭的なスキルは聞いていてね。まあ返事は急がないからじっくり考えるといい。後、君の同学年に私の一人娘がいるからよければ仲良くしてくれたまえ。では』
「…」
なるほどね、どうやら俺は月野グループの執事として働くことになるかもしれないと…。なるほどなるほど。二回言うが相手は月野グループね。
「NOとか言えなくね?」
そんなわけで、どうやら俺は執事として働くようです。
…んなことある?
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とりあえず返事はせず、翌朝を迎えた。あの後執事として働くか迷い全然寝ることができなかった…。
まだ開かない眠い目をこすりながら二人分の朝ごはんとお弁当を作り、家を出る。
因みに、食後のデザートとしてマカロンを作ってみた。メレンゲにアーモンドプードルを混ぜて焼き上げ、クリームをサンドした、比較的誰でも作れるようなマカロンだが。
「それじゃあ兄さん!今日私日直だから早めにでるね!」
「おお、気をつけてな」
妹は今日は日直らしく、早々に家を出ていった。早く出たせいか、チャームポイントのツインテールが少しぼさぼさになっているのを見送ったあと。
「俺も行きますかね…」
そんな独り言を言いながら歩こうとした瞬間、一台のリムジンが俺の目の前に止まった。へ…?なにヤクザか何か?超怖いんだけど…。
なんて考えていると後部座席の窓が開き、中から見知った顔が話かけてきた。
「お~、執事とは乙部の事だったのか~」
という眠たげな声が聞こえてきた。
え?なんで月野が執事のこと…ん?月野ってまさか…!
「お前…まさかお前が月野仁さんの一人娘⁉」
「そうだよ~よろしくね~執事君っ」
なんて少しニヤッとした顔で俺を見つめるのだった。
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