天衣 凱斗 ORIGIN climax phase 02

UGN██支部にて数週間の月日が流れた

あれからというものの、何かと私をあだ名で呼んでは絡んでくる██とコンビを組まされていた。

任務以外で無視していようとしても、ズンズンと土足でこちらの領域に踏み込んでくる彼に動揺を禁じ得なかった。

直葉支部長に彼の今までの言動を告げたが困ったように彼の事をお願いね、と頼まれる始末だった、どうやら問題行動もそれなりに起こしているが、私のそばにいたら殆どしないかららしいが、ある種の厄介払いか何かをされてる……


しかし、任務での彼は活躍した、事件の際に隠れたオーヴァードを発見する際の推測で他のチルドレンが、ファルスハーツの偽装工作にかかり別の場所を探していた所を、私がそのファルスハーツの偽装工作を看破して応援を呼ぼうとしたらバロールの重力の力で抑えつけ、逃げようとするオーヴァードをオルクスの領域操作で迷わせ元の場所に戻らせ捕縛。

UGN各支部の合同訓練では██とのコンビで他の追随をさせない結果になり、やけに持ち上げられ戸惑っていると、相棒だからいいじゃんと肩を組まれスキンシップされたりと、自由奔走なそれに翻弄され続けた。

しかし、他のチルドレンやエージェントはそれが気に入らないのか嫉妬や差別が含んだ視線でこちらを、見ることが多くなっていた。

だがそんなものはいつもの様に心を凍らせていけば問題ない……ない、はずだった……どうやって心を凍らせていたのかが思い出せなくなっていた。

それでも表には出すまいと完全演技で顔には出さないように過ごし続けた。

██によって以前までの過ごし方に戻れなくなりつつあったという事実に私は困惑せざるを得なかった。



……██の自由奔走さが眩しく感じる。どこか羨ましいという初めての感情が芽吹いた。

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