第2話 これはパワハラでは?

昨日ソフィア先輩にご馳走になったお蕎麦は大変美味しかったです。

この辺りにあそこまで美味しいお蕎麦屋さんなんてあったかしら?


「おはよう、クーちゃん」

「おはようございます。ソフィア先輩」

先輩は今日も皴のないきちんとした服装をしています。

家事もでき、料理もちゃんとやれば完璧で、見た目も合わさり完璧な女性です。


「先輩、昨日はご馳走様でした。お蕎麦とても美味しかったです。」

「ふふ、よかった。朝に食べたいと思って、お昼に家に戻って打ったかいがあったわ」

「先輩の手作りだったんですね・・・ん?ちょっと待ってください」

「どうしたの?」

「お昼は仕事があったと思うんですが、どうやって作ったんですか?」

「空き時間に転移魔法ですいーと家に帰って作ったわ」

「転移魔法ですか・・・」


魔法には指先に火を灯す家庭魔法から初級、中級、上級と続き、最高ランクに神話魔法(転移魔法等)まであります。

転移魔法は夕食のためだけに使う魔法ではありません。というより、使えたんですね。神話魔法。

何故冒険者ではなく、受付嬢をやっているか疑問が残りますが、それよりは今は


「前に先輩から聞きましたが、ギルドには特定ランク以上の魔法効果を無効にする魔法具があると聞いてますが発動できたんですか?」

「確かに魔法具は置いてあるけど、私も制作者の1人だから作成時に色々やったの」

「色々ですか」

何をやったのか聞きたくありません。


「でも、先輩。休憩時間は私と一緒にいたと思いますが、いつ蕎麦を作れたんですか?」

「仕事の空き時間に家に戻って、作ったわ~」

「勤務中に何やってるんですか!仕事してください」

「でもでも、クーちゃんも食べたよね?」

「えっ・・・」

もしかしてこれは・・・


「クーちゃんも共犯だね」

口封じですか!

「えっ、でもそれは・・・」

「クーちゃん、2人の秘密が増えてドキドキするね!」

そんなドキドキはいりません。ゴミ箱にでも捨ててください。


「先輩、一つだけ聞きたいのですが。昨日何食べたいか私に聞きませんでしたか?」

「ええ、聞いたけど。何を言われてもお蕎麦に持っていくつもりだったわ。例えば、蕎麦(すば)らしいとか」

「・・・」

・・・・


「クーちゃん、顔が怖いよ...」

あなたのせいです。

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受付嬢ですが、周りが個性的すぎて大変です! @pcdesk

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