第6話

 あいつ、いつになったら帰って来るのよ・・・。


 時計を睨んでため息をついた。少し前までは午前様なんて珍しくもなかったけれど、最近は違う。遅くても十時には帰って来させている。


 そう、今は従順な妻としてただ帰って来るのを待っているだけではない。夫を家に「帰らせる」のだ、命令をして。男は甘やかしたら調子に乗ってつけ上がり、ロクなことにはならない。これはただの持論ではない、過去の経験からそうするべきなのだと私は判断した。


 そう、私には経験がある。夫を早く家に帰って来させるに至った経験が・・・。

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