第8話 地獄のマラソン大会

さて、入部してから早2週間が過ぎた頃。


前の前ぐらいに書いたように、走ることが大好きだったれおる氏。

だが、短距離に限る。

ということを忘れており、

「走らないのですか?」

なんて聞いた自分が馬鹿でした。

「あー走ろっか」

シンプルな回答に、胸を弾ませながら外に出る。

「何周ですか?」

「え?1周でいいよ」

「え!?1周でいいんですか!?」


すっごい短いコースをグルグル回るのかなレベルだと思っていた……


先輩「よっしゃー、俺は9分目指すー」

自分(……9分……?)

先輩「じゃぁ俺、8分30秒」

自分(あれっ?あれっ?)


冷や汗をかきながら、スタートした。


難関その1 ─平坦なコンクリート地獄─

膝に来る……

とりあえず、先輩にコースを教えてもらってないので、ついて行ってみると、平坦かつ、太陽サンサンな地獄が待っていました。


基本自分は、下を向いて走ってしまうのですが、ちらっと前を向くと……


急斜面な坂が待っていました。

「うわぁ……はぁはぁ……」

全然走っていなかったこともあり、開始直ぐに息が上がったれおる氏。

このままでは、置いてかれると思い、

「リミッター解除!うおぉぉぉぁ!!!!」なんて思いながら坂に挑む。


遠くから見てもすごい長さの坂。

こんな坂を人間が走って登ってもいいのか?なんて思っていると、だんだん先輩のペースが落ちていく。

「おれもーむり」

続々と、後ろに沈んでいく先輩達。

有名なゾンビ映画のワンシーンみたいな様でした。

前には、2人の先輩。

部長も、副部長でした……


(登り終わっァァー!!!)

きっともう、学校に着くのだろうと思っていたが、登り切った先を見ると、地獄が始まりました。


地獄その2 ─平坦&下り坂&太陽さん─

上りがあれば、下りもある。

それは、人生と同じように……

平坦な道は、かなり長く感じ、無間地獄のようでした。

下り坂は、あの坂を登ったからまぁお察しください。

「り、リミッターかい……じょ……」


やっとの思いで帰ってくると、タイムが口頭で言われた。

先生「部長、8分50秒」

「副部長、8分52秒」

「ゆうくん 8分53秒」

「1年、11分」


はぁはぁ言いながら、しっかりと走り切ったことを褒めていただきたい。


先生「おい、1年。」

自分「え?あっはい」

きっと褒められるのだろうななんて、思ってた……

先生「次は、8分代で走ろっか」

自分「え……?」

何言ってるの?

1年生だよ?ピカピカの……


この顧問は、頭がおかしかった。

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