第17話 改めてあの会社に来たんですが。
腰を九十度近くまで折れ曲がらせて頭を下げる三人に、どうしたら良いかと私は右往左往する。
私がもういいですからと言っても、
事務所を訪れ挨拶もそこそこに、支局長・
「本当に不躾な事をしてしまって申し訳ない。
だから、三人の事は許してやって欲しい」
「頭をあげて下さい! 許すも何も……そもそも私が何も理解していなかったのが悪かったんです。
こちらこそ、何度も助けていただいたのに、失礼な事をしてしまってすみませんでした」
困った時の、必殺・謝り返し。
私も頭を下げ、向こうが頭を上げる気配を見せるまで下げ続けた。
「ルリさん、
昨日はあまりの事でお礼もせず逃げてしまってごめんなさい」
そうお詫びとお礼の言葉を口にすると、
恐る恐る頭を上げると、珍しくルリさんが眉毛をへの字にして口を
「……ごめんね、
聞こえるか聞こえないかぐらいの小さな声でそうルリさんがポツリと呟く。
私は、彼女のそのらしくない態度に苦笑い。
「ううん。ルリさん。私こそごめんね」
そう首を横に振ると、なんだか泣きそうな顔で私の顔を凝視してきたので、むしろこっちが驚いた。
何?!
「
「ルリ!!」
泣き笑いして毒舌を吐いたルリさんが
……良かった。いつもの彼女だ。
一方
「
再度駄目押しでそう言ってみたが、
すると、
「
「は……はははハイ!」
気合いを強制的に入れられ、
笑顔を向けると、心底ホッとしたように彼の肩の力が抜けていく。
気にしすぎ。そんなんじゃ社会人やってくのは辛いだろうなぁ。
最後に、私の横に立つ
何かを期待したかのようなニヤニヤ顔を私に向けて来ていた。
言いたくねェ……でも、大人としてケジメはつけなければ。
「
そんな言葉をなんとか絞り出すと、眩しく輝くような笑顔を放ってきた。
「いや、いいよ
物凄く良い笑顔で爆弾発言。
「なっ……見せ合ってねェ! 勝手にそっちが見ただけだろがい!」
「えー!
「そっちってどっち?! 話ややこしくなるからルリさん口挟まないで?!」
「そうだぞルリ。これは俺と
「調子乗んな! お前、今朝の──って、危ね……兎に角、調子乗んな!!」
「今朝の……? ああ、そうだね。
「どっ……どどどど
「
わーきゃー騒ぐルリさんと
苦々しく横目で
仰け反って避けた。
「アンタ……私が強くなったら見てなさいよっ……」
そんな負け犬の遠吠えのような事しか言い返せなかった。
「楽しみにしてる」
ムカつくっ……!
ヤツはリビングで寝てたし、私は眠れなかったし。
ただ……朝方の一瞬だけ眠ってしまった瞬間、ヤツが布団の中に転がり込んできたのだ。
蹴り出してやった。
「
眉間に深い縦皺を刻んだ
すると、彼も頷いて足元に置いていた鞄を持ち上げた。
「はい。ではまたね、
「ぐぅッ……」
来なくていい、と叫びたいところだけれど。
夜間の護衛はヤツの役目だ。一人で帰ったら危ないし、かといって四六時中
くそっ……早く強くなりたいっ……!
「とうとう始まっちゃったんですかねー? ロマンスがー」
「……
ルリさんと
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