第7話 イケメンに言い寄られてるんですが。(改稿版)
「
継いだのは制服女子──ルリさんだった。
「わぁ!
立ち振る舞いは胡散臭いし芝居掛かってるし、言葉遣いもなんか舞台じみてる感じしてたしー。バレバレでしたけど、でもまぁ頑張って隠してたんですねー。
……フンワリ酷い事をサラリと言うなァ……
着物女性──
「ええと、
「いえ! 全く!!」
若干被せ気味に答えた。
「じゃあ
「いませんでしたよ。それに、俺は至って正気です」
「正気でコレって事はマジ危険人物って事ですねっ!」
「ルリ……ちょっと黙っておいで」
「はーい」
ちょいちょいチャチャを入れていた制服女子・ルリさんを黙らせ、着物女性・
「
改めてそう問いかけられ、
「はい。恋に狂うとはこの事だと実感しています」
言い放った内容は瞳孔開き気味でヤバかったけど。
ホラ、さっき黙れって言われたルリさんが何かを言いたそうに口をモゾモゾさせてる!
アレ絶対あらゆる
着物女性・
「……まあ、人の嗜好は他人には理解し得ない事もあるし……また他人がとやかく言う事でもないけれど……」
受容しちゃうんだコレ?!
私が壁にへばりついて泣きそうな顔をしてるのをチラリと
「……でも、一方通行な態度はいただけない。ちゃんと相手の同意があって事を進めるんだね」
と、締め
すると、ストライプスーツ──
「そうですね。確かに少し性急すぎたかも知れません」
あれが少しかよ。
「時間はあります。片時も離れず、ネッチリみっちりネットリ濃密な時間を共有し、お互いの気持ちをガップリヨツで縮めて行こうかと思います」
言葉のチョイスがキモいわ。
「つきましては、彼女に、俺から、二人きりで、色々説明したいのですけ──」
「はい! 私は! この場で! 色々聞きたいなー!!」
着物女性・
「この子は、例の子だろう? どこまで説明してるんだい?」
若干厳しめの声でそう催促する。
しかし、
代わりに答えたのは制服女子・ルリさん。
「全然。全く。なーんにも。説明する前に
まるで自分には
その言葉に、
眼鏡の位置をまた正し、
その真剣さに、私はベッドに正座して
それを待ち、
「つい先日亡くなった
家族はいなかったから……私たちが家族みたいなモンだった。特に、私は長い付き合いでね。この会社を立ち上げた時から一緒にやってきたんだよ」
そう語りながら、彼女は眉根を寄せて沈痛な面持ちをした。
家族。
その言葉がズキリと私の心臓に刺さる。
「そして、この二人。
師匠? その単語に違和感を感じる。
普通、上司・部下の関係でそのワードは使わないよね。それに……
「マスターとは、特別な能力を代々引き継いできた者の事であり、後継者へと引き継いでいく特別な存在」
なんか、途中から
「
そして、この二人がその後継者候補──」
「あの、すみません。先程から何の話をしてますか? 」
申し訳ないと思いつつも、このままでは一ミリも理解できないままどんどん話が進んでいってしまいそうだったので、話を遮らせてもらった。
日本語なのに、私の知ってる言葉の意味と、
某お笑いコンビのスレ違いネタのような感じだ。
座りの悪い感覚に、私は膝に置いた手をモゾモゾとさせる。
そんな私の言葉を聞き、
そして、至極真面目な顔をして、ゆっくりと口を開いた。
「私はこの会社の代表取締役の他に、もう一つの顔がある」
そんな静かで深い、そして脳に直接響くような声で続ける。
「特殊技能集団・
……トクシュギノウシュウダンゲンワキョウカイ……?
なんだか聞き慣れるワケがない名前の羅列に、私の思考が一瞬停止した。
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