第7話 友の行方②


救出きゅうしゅつされた、イギリスのアメリカ渡航船とこうせん乗員乗客じょういんじょうきゃくは、名簿めいぼによると140にん半分はんぶんにもたない42にんであった。


かならず、スティーブ、デフォー、ウィリアムの名前なまえがここにあるはずだ」


レオはスティーブ、デフォー、ウィリアムの名前なまえを、一字一句いちじいっく見落みおとすまいと丹念たんねんさがした。時間じかんをかけてじっくりと…じっくりと……じっくりと……




……しかし……………



3にん名前なまえかった……………


何度なんど何度なんど何度なんど何度なんど何度なんど何度なんど何度なんど何度なんどなおしたが……



3人の名前なまえかった………。



「………………………………………………。」


レオはしばらくこえうしなった。


そのかん10びょうじゃくだっただろうか、だがレオにはその10びょうが、10ふん、30ぷん、1時間じかん


いや永遠えいえんかんじた……。


レオはその残酷ざんこく結末けつまつれられなかった。


「んなわけない…あいつらはきてる…あのおっさんが見落みおとしてるだけだ…」


今度こんどは、仏渡航船内ふとこうせんないみずからのあしさがあるまわった。


「スティーブ!!!デフォー!!!ウィリアム!!!どこにいるんだよ!」


「かくれんぼでもしてるのか…」


おれを…おれを…ひとりにしないでくれ……」






そして数分後すうふんご………





「はぁ…はぁ…はぁ……」



レオはひざからくずちていた。


「なんでいないんだよ…なんで…」



レオはついに、親友しんゆうたちのれざるをなかった。


すると小太こぶとりの店員てんいんがレオの背後はいごっていた。


どうやら渡航船とこうせんあるまわるレオのうしろをついてきてたようだ。


そして生存者名簿せいぞんしゃめいぼに、レオのさそうにこちらをていた。


そんなかれ存在そんざい気付きづきレオはふっとわれにかえり、小太こぶとりのおっさんに自分じぶんげる。



おれはレオ…レオ・ペイン…………。」



そして、そのときであった。


それまでつよっていた一気いっきゆるみ、まるでせきったようにレオはなみだながはじめた。




それは………


まれてはじめて、人前ひとまえながしたなみだだった。




「あぁぁああぁぁぁああぁぁああぁあぁぁあぁあ!!!!!!」

「みんなぁぁぁぁぁ!!!!」





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