第7話鑑定士がやってきました。

あれから4カ月ほどたち、季節も春から夏へと変わり始めていた。


そんな中、自分の日課も実を結び始めていた。

なんと、これはさすがに獣人という種族も関わっていそうではあるが、どこかに掴まれば立って歩けるようになっていた。


生後3ヶ月半ほどで立ち上がった赤子、結構怖いのではないか? とは思ったが、生まれてすぐに光魔術を使ってしまった奴なのである。その時に比べたらまだマシであろう。

...まぁ、十分驚かれたが。


ちなみに、その他にはステータスのほうも結構すごいことになっていた。

それが、こちら。


[名前]シャルス

[種族]白天狐人(獣人・妖狐)

[性別]男  [年齢]0歳

[職業]─────

[ステータス]

  HP13/13(4up)  MP18/18(8up)  SP9/9(3up)

  STR:10(3up) DEF:5(1up) MDEF:5 DEX:7(1up) AGI:9(1up)  

  INT:13(6up) MID:6  LUK:10

  SKP:0

[ノーマルスキル]

  剣闘の頂きLv.10  魔力操作Lv.3(new)  魔力感知Lv.3(new)  雷魔術Lv.1

  光魔術Lv.3(2up)  鑑定Lv.2(new)  隠蔽Lv.3(new)  獣王国言語Lv.10  

  気配察知Lv.2(new) 

[エクストラスキル]

  転移門Lv.1  空間庫Lv.1

[ユニークスキル]

  探求を止めぬ者

[種族スキル]

  五感強化Lv.2(1up)  妖術・火Lv.1  妖術・雷Lv.1  妖術・光Lv.1

  魔適正・火   魔適正・雷   魔適正・光

[称号]

  転生者  転生神の加護


ステータスが軒並み上がり、スキルも色々増えている。

新しい物はこんな感じだ。


〔魔力操作Lv.3〕

  体内外関わらず魔力を操作できる。それによって様々な益を得ることができる。


今のところできるのは、ある程度外の魔力で魔術に使うMPを肩代わりさせることと、外の魔力を吸収して、MPの回復を速めることだ。練度を上げれば、肉体の強化や魔力その物での攻撃などができるようになるのでは、と考えている。


〔魔力感知Lv.3〕

  魔力を感じることができる。範囲を狭めればより正確に、正確性を下げればより広く

  感知できる。


〔鑑定Lv.2〕

  自らが認識している物の情報を読み取る。


〔隠蔽Lv.3〕

  何らかの物を隠すことができる。行動や物のみならず、ステータスなどにも使える。


〔気配察知Lv.2〕

  様々な方法で集めた情報を総合的に処理し、周囲を把握することができる。


この気配察知、なかなかに使える。なぜなら、この『様々な方法』に魔力や五感、鑑定などを利用した物も含まれるので、〔魔力感知〕や〔五感強化〕、〔鑑定〕なんかで効果の底上げができてしまうからだ。


さて、今日は父が言っていた鑑定士が来る日だ。父が3日ほど前に「信頼のおける腕のいい鑑定士に連絡がついた。3日後に来るそうだ。」と言った。


あらかじめ知らせてくれたのはとてもうれしい。(まぁ、俺ではなく、母に伝えているのだが)なんと言っても俺が転生者だとかなりの確率でバレるのだから、決心を固める時が必要であったからだ。それには3日という期間はピッタリであった。


「おーい、ただいま。帰って来たぞー」


おっと、父が仕事から帰って来たようだ。ということは鑑定士も来たわけだ。......いよいよか。

父がリビングにやってきた。


「紹介するぞ。こいつは鑑定士のジュランだ。まぁ、シャネルは知っているだろうが。」


父はそこで40後半ほどに見える只人の男性を紹介した。


「あら、お久しぶりです。8年ぶりくらいですかね。にしても信頼のおける鑑定士とはあなたのことでしたか。」


おっと、母もこの人とは知りあいのようだ。


「お久しぶりですね。まずはお子さんの出産、おめでとうございます。それに昔話に花を咲かせたいところですが、事情は伺っております。さっそくそちらをすませるとしましょう。」


そう言いつつジュランさんはこちらをみる。


「こちらのお子さんでよろしいのですね。」


「はい、よろしくお願いします。」


「では、見ていきましょう。」


そう言ってこちらを凝視し始めた。


「こ、これは...」


隠蔽を一応使ってはいたが、やはり無意味だったのだろう。

それからしばらくし、ジュランさんは口を開いた。


「あなた方の判断は間違っていなかった。まず...この子は転生者です。」


「えっ」


「なっ」


「なので、もう言葉も理解しているでしょう。ね?」


はぁ、俺は隠すのを諦めた。


「あう。」


頷きつつそう返す。


「大丈夫よシャルス。あなたがなんであろうと私達の大事な息子に変わりないわ。」


「そうだ、だからそんなに不安そうな顔をしないでくれ。こっちが悲しくなってしまう。」


おそらく俺は実際に不安そうな顔をしていたのだろう。だが俺は思い出した。この人達はとんでもない親バカであったことを。そうだ、そんな心配なんてしないで大丈夫だった。

俺は感謝を込めて言う。


「あうあおう《ありがとう》」


「とても良いものを見せてもらえました。ただ、スキルやステータスを言っていかなければなりません。シャルスくん、良いですか?」


「あう」


了承の意を込めて頷く。どうやらちゃんと伝わったようだ。

そこから俺のスキルやステータスについて話してゆくジュランさん。


「.........というわけで、おそらく転生後から今に至るまでずっとステータスやスキルを鍛えていたと思われます。」


「あう。」


「そうだったのか。そうだな...、強くなっておいて損はないだろう。転生者ってのは字も読めるんだろ? 俺の書庫を使っていい。さすがにその年で訓練なんてつけたらおかしがられちまうが、家の中だったら問題ないだろう。」


とは父の言葉。どうやら俺のことを受け入れ、さらに協力してくれるらしい。


「そうねぇ、どうせ厄介事はいつかおこるんでしょうし、今から鍛えておくべきでしょうね。」


これまた嬉しい言葉だ。


「あう~」


お礼を込めてそういった。


「ジュラン、このことはくれぐれも他言無用で頼む。これが依頼料と口止め料金だ。」


そう言って父はジュランさんへとお金が詰まっているのであろう袋を渡した。


「ふふ、分かっていますよ。ところで一杯一緒にしませんか?昔話でもしましょうよ。」


「そういうことなら。じゃあ酒を持ってくるからベランダに行っててくれ。」


「もう、ダルスったら、でも久しぶりに私もしたいわね。シャルス、ごめんだけどちょっと付き合ってくれる?」


そういうことなら大歓迎。母たちの昔話、興味があります。


「あう!」


「ありがとう、じゃあおつまみ用意してベランダにいきましょうか。ジュランさんも。」


そうして夜はふけていった。

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