深夜の帰り道

深夜、仕事が終わってから、会社を出て六分ほどで終わる家路をゆっくり行き、車を駐車場に止めて、家までの少しの道をような足取りで歩いた。


家は坂の途中にあり、駐車場は道路の向こうの少し離れたところにある。ふと坂の頂上あたりを見上げると、傾いた下弦の月が地面すれすれのところに浮かんでいるようにみえた。


ぼんやりと少しだけ眺めていると、なんだかもう少しで月が隕石みたいに落ちてきそうだなと思った。少しだけ赤く光って、きれいなようでおそろしいような、そんな月だった。







あのまま月が地面に落ちてすべてなくなってしまえばいいのに。






家に着いて部屋に入り、テレビを見て、面白い番組を見つけたので録画した。



なんだか憂鬱な気分が消えて疲れがふんわりと身体中に現れてきた。


横になると眠気がふっとやってきてそのまま眠った。







次の朝、気持ちいい鳥の鳴き声で目が覚めて、前の一日とは違う、一日がまたやってきた。

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