リスミー

 アスファルトに踏みつけられた煙草がひしゃげてゴミになる。意味のあったものが目にも止めない何かでしかなくなった。ゴミ溜まりと化したあの川も、いつかはただの何かに成り下がってしまうのだろうか。

 泳いでいた小魚が今はいない。それは、話題にもならないような些細な事らしいけれど、変化に気づけた私は、変われたのかな、なんて思う。彩度の低い世界の中で、すれ違ったあの子のブレスレットが瞬いた。

 ここには何もないよ。感情に結び付けられなかった何かが、揺蕩っているだけ。

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