〜現在/現在〜

 血の味が傷の在処を教えている。頬の内側を噛みちぎってできた傷口に空気が沁みた。呼吸をしている。

 僕はいつか、君と違う物になるだろう。君は生きていて僕は死んでいる。僕は生きていて君は死んでいる。そんな瞬間が、やがて、来る。

 僕も君も雑草も同じだ。名前があって呼吸をしている。しぶとく生き延びてやがて土になる。

僕が行くべき場所。君が辿り着く場所。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る