第7話 あはははは、秋葉原あはははは

 

 彼女を見送りバレない様に上野公園から出た。電車に乗ると鉢合わせする可能性があるから、アメ横を通り御徒町を抜け秋葉原に向かう。

 駅にして2駅だがそれほどかからずに秋葉原周辺に到着。


 秋葉原、家からはそこそこ遠いので多分知り合いも居ない……こういう時は友達が少なくて助かる……誰がボッチじゃ!! 

 ただやっぱり用心に越した事はない、あり得ないだろうが月夜野が迷って現れないとも限らない、もし見られたらあいつに何を言われるか……「オタクが私と付き合うとか恥ずかしくて死ぬわ」とか言いそう……


 俺は持ってきたパーカーをシャツの上から着て、中学迄掛けていた黒淵眼鏡を掛ける。さあ秋葉原を堪能だ!

 俺は某アイドルグループの聖地、某安売り店舗の前に立った。


 右も左も秋葉原、上も下も秋葉原~~360度秋葉原~~~何度来ても楽しい秋葉原。


「あはははは、あはははは、あははははははは」

 同人、コスプレ、メイドカフェ……ああ秋葉原は楽しい、秋葉原は俺の聖地~~あははは、あははははははははは……。



 ◈ ◈ ◈ ◈ ◈



 後ろを確認し彼がついて来ないのを確認、そして用心しながら近くの公衆トイレに入る。

 個室内で髪型をお下げにし、眼鏡を掛け、オーバーオールに着替える。

 長い髪は平積みを見る時邪魔、スカートは歩き回るのに邪魔。

 

 トイレで着替えとかオタのメンツに関わるけど、今日はコスプレじゃないから許して。


 あの可愛らしい格好は私じゃない……本来の私に戻るべく素早く着替えトイレを出ると上野駅に向かった。


 行き先は当然聖地秋葉原……こんな近く迄来て、行かないとかないよね。

 家とは反対方向、でも、もしかしたらと電車内で彼がいないか確認……大丈夫みたい。


 2駅で秋葉原に到着、駅を出るとそこはもう聖地……。


 右も左も上も下も360度全部秋葉原~~~~。


「あははははは、あはははは、あははははははは」

 腐腐腐……あ、違ったふふふ、同人、コスプレ、執事カフェ、何度来ても楽しい、ああ、秋葉原私の聖地、あはははは、あははははははははははは……。



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