暗中模索0

「何だい? 今日はその道から帰るのかって? ああ、いいや、大したことではないんだよ。実は他校の友人に呼ばれていてね。……そうだね、早い話が喧嘩なんだが。大丈夫だよ。私もこう見えて場数は踏んでいるから。……いやいや、連れていってくれなんて、それは無理だよ。何というか、あまり綺麗な喧嘩でなくてね。見せられるものじゃないし、連れていったら、青空あおぞら君、君が危ないよ。 ……そうだね、君のお姉さんやお兄さん達が来たら、楽勝だろうね……」

「ほう、君も戦えるのかい? どうやって? ……彫刻刀……催涙スプレー……スタンガン……どうしてこんなものが……いや、愚問だったね……気持ちは嬉しいがね、でも今回は男同士の勝負なんだ。女人おなごは巻き込むわけにはいかないんだ。……はは、そんなおだてても何もあげられないよ。……照れているように見えるかい。……ああ、そろそろ行かなければ。ああ、うん、また明日」

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