第42話 暗闘
「あーもう、ちくしょう!」
「こんなことなら、とっくに、引きかえしときゃよかった!」
ソルはヘンに
なんだか
立ち止まって
さっき止まったとき――もう、だいぶ前に感じます――聞いたあの音。こちらにむかってやって来るような、こだまする
クラランの
またしても、さっかく!
ソルはじぶんの
目をこらすと、ポッツリのぞき
さいどライトを点け、カンオンをわしづかみ、左へとび上がりました。
カンオンをかさねた手で、しっかりつかみ、外にもれるほど「ドッキンドッキン」となる
「コホッ、コホッ」と、せきこんでしまいました。小さくしようと、またさらに
もだえ
「シャー」
という
はらばいに
音はすれど、なかなか、ちかづいてきません。
どうやら、それほどの
エリゼを
じっさいそれは、お
立ち止まりました。
と思ったら、またきゅうブレーキ。立ち止まりました。どうやら
こともなく、ロボットは横をすぎてしまいました。
かくじつに光が見えなくなるまで、彼はしんぼうづよくまちます。
えんえんと、かなり
「……なんだよ。あせらせやがって」
足をそろえてしずかに
トンネル
ブル・アガべとラム・モラゼズは、コントロール
それはある
生き生きステイション(老人ホーム)の
「おっせーな。まだかよ」
「……」
「なに、グズグズしてんだよ。まったく、ガキ一人にかり出されて、こっちはいいメーワクだ」
「だいたい、なんでオレなんだ? 他にヒマなヤツ、いくらでもいたクセによ」
「……」
らんぼうなコトバづかいの方が女子のラム・モラゼスで、かもくな方が男のブル・アガべです。
「あ~あ、
そういう彼女も、ゆうに30代後半をこえていました。二人とも
ブルはデスク
「おい、聞いているのか?」
「……」
彼が
「おかしいな。
「え、なんだって?」
「……」
「まーた、だんまりかよ」
二人の
さっき出ていったラムがもどってきました。手に
「チッ、よせといったろうに。
ラムは
「……」
彼女の
「出口だ。もういちど引きかえす」
「なんだよ、いなかったんだろ? もう、いいだろ。どうせ引きかえしたって、おなじことだろが。それでいなかったら、どうすんだ。また、やりなおすのか?」
「そうだ。
「はぁ~あ? ジョーダンじゃねぇぜ、やってられっか! あんなヲカマ
けっとばして、イスをころげさせました。
ブルは
「おい、おまえはいいのかよ」
「フー」
とふき、
「ここのじゃない」
と言いました。
「
「さて、しょうがない。
「おい!」
ブルは、イスにふかく
「おい!」
モニターを見つめるブル。
「……」
ふっと、
「――いや、
わかい
「
「
「この
じつは、今やどの
「ろーがい(棒)」
ヘイタンよみするラム。
「こんな
「こんな
「クソジジィが!」
「あーいーよ。オレだけかえる。後はヨロシクな」
「だめだ。
「テメェ、もっぺん言ってみろ!」
カタカタと、むごんで
「もっかい――」
「出口に着いた。引きかえすぞ」
ブルはボタンを五回すばやく
ソルは8kmの
「もー、かえろうか」
「もー、かえつても、いいよね?」
「あー、もう!」
わざと声を
ふたたび、あの
「引きかえしてきやがった!」
「シュ―ン」
という音が高なってきました。さっきより早めです。
見るまに、彼の横で止まりました。
ドキンとなるソル。
アキラに出てくる
うごくか、うごかないか、彼は
光が上がってきました。
クソッ! よりによって、こんなところで!
光はフトモモをなめ、
ロボットはむきをかえ、センターラインにもどり、走り去りました。
???????
ワケがわからず、
バレたか? れんらくしにいくのか? いや、そんな
にわかに
ヒザをつかって
気づかず走りつづけるお
彼はじぶんでもビックリ。
いいぞ、
ノーテンキにも彼が思ったのは、とうぜんアーカイブアニメのDBの方でした。
つかれがピークにたっしていたのか、どうせバレてんだとヤケになったのか、いきなりムチャなことをしてしまいました。でも、彼にも
見られさえしなければ、ヘーキヘーキ、ぜんぜん、よゆうよゆう……なのかなぁ?
ん、でもアレか、これってもしかして、
このあたりのコトバの
かんぐってみますが、いくら考えたって、わかりはしません。
まあいいや。
バレてんだったら、だったら、だっただ。
ソルは開きなおりました。というか、開きなおってばっかりですが (苦笑い)。
細かいことはどーでもいいんだよ。そんなこたぁ、むこうに着いてからのはなし。
後はノとなれナントカなれだ。
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