第38話 港にて
「あつまってるな。
「どこいってたんだよ」
「おまえと
「どうした? 子度藻を
ダイがなにか言おうとすると、ママが
二人はだまりこみました。
「まあ、そんなこったろうとは、思ってたけどな」
うすら
「なにがおかしい?」
「行かないんだろ?」
二人の
「
「そう
だまりこくったままの二人。
「どうするんだ? このまま、じっとしていても
「なんか、いい手でもありそうな口ぶりじゃん」
「お、そだちのわりには
ちょうはつてきな口ぶりのチェロキー。
「なんで今日にかぎって上から
「――もって、おいおい!」
とつぜん、大声を出すチェロキー。
「それじゃあ、ママもそうだと言わんばかりじゃないか! そんなこと、わざわざオレに教えてくれなくったっていいんだぜ、うたがわしい人間にさ。まあ、それを言ったら
「え、なんで、そうなるの?
「ふふん。
「――いやしい
あきらかにムッとするダイ。
「あいつが一度でも、自分の口からそんなこと言ったことあったか? だれも自分の
「なんだよ、ごじんって。
「さすが
声にだして、せせら
「
「わざと言ったんだよ。なにが
「そっちこそ。いつの
「
「生まれた時からって、――だったら、おれらに
ダイはとちゅうで、だまってしまいました。彼は、みょうに今日にかぎって、チェロキーが
「なんだ、きゅうに
「ま、いいか。そういうことにしとくか」
チェロキーは
「なんだよ、それ」
と、ダイ。
もとはと言えば、ソルによって引きおこされた
「ちょっとぉ、ケンカは
チェロキーはあくびして、
「なんだったかな……ああ、そうそう。ガキのことか。で、どうするんだ? なにか良い
「それより、あんたなんか、さっき言いかけたろ、そっちを先にしろよ」
トゲトゲしく、ダイが言いかえしました。
チェロキーにしろダイにしろ、だれにしたって同じことですが、ここでの「
ちょっと、ほほえんでから、チェロキーは言いました。
「この
ダイがなにか言いかけると、「まあ、まあ」と手で
「べつにおれは、こんなガキどうなっても
間をおき、
「そこでだ、一つ
「おい!」
ダイが
「なんだ!」
「うしろ」
ヘイタンな声で、ダイがアゴをつき出しました。
チェロキーがふりかえると、
「チッ、見ろ! お前らがモタモタしているからだ」
「
「とりあえず、ガキを
「出すな! 出すな! おーい出すな! まだ出すなよ!
「よかった。とにかく、このままにしておいてくれ。あの子がきても、しばらくは
ダラダラ
「いいな、
一気に言い終えると、
「なんでおまえら、ここにいる! 子度藻はどうした?!」
ダイとチェロキーは二人して、
「なにやってるんだ、聞いているのか!」
「聞いているよ」
他人ごとのようなダイ。
「お前も、なんでここにいる!」
こんどはチェロキーにむかって、どなりました。
「うるさいよ。なんかやらかして、年下の女の
チェロキーは
「なんだとう、おい! なんでお前まで、ここにいるんだ! こんなとこで
ピタッと止まりました。
「おまえらが、ここにいるってことは」
「おい、どこへいくんだ!」
二人の
「べつに~」
ニヤニヤしながら
どん、とぶつかって、見上げました。
「なにやってんのアンタ!
「どけよ!」
「まだ、
「いいから、どけ!」
「ちょ、ちょっとぉ」
ママを
ガランとした
「ふーふー」と
「ちょっとぉ、
やっとそこに気づいたのか、ステンレス
「お~い。なにやってんだ(笑)」
上からダイが、よびかけました。
「うわっ、くっせぇ。あんたの
ややあって、おじさんは、ばつがわるそうに出てきました。
「水を一本くれ」
「
「いいから。どうせあんたのことだ、
そういって、ダンボールから水をとりだし、ごくごく
「ふん、いいさ。むしろ、いない方が――」
といったきり、
ふーっと、
「で、なんで、お前はここにいるんだ?」
「なんでって――」
「イヤ、そっちこそ、なんで
「だからって、なんでここにいるんだ?」
「あんたんとこに行く、より道だよ。二人とも」
チェロキーが、たすけ
「なんだよ
「お前は?」
ふりかえって、チェロキーにたずねました。
「だから、さっき言ったろ。オレの
「
チェロキーは、ほほえみました。
うすい
ごうをにやしたチェロキーは、少し声をあらげ言いました。
「おまえは何だ?
「
間をおき――
「な~に、食うもんなくなって、
「そっち?」
よけいなことは言うなと、
「とにかく、子度藻のことはもういい。もう
力なく立ち上がると、おじさんは引き上げていきました。
「もう、いいわよ」
ママは海をのぞきこんで、いいました。
「あら、いないわ」
「だいじょうぶかよ、
ダイがいうと、
「
キョロキョロする、ママ。
「あ、あんなとこぉ!」
ソルは、こちらにむかって、歩いてきました。彼は小さな
「ホーッ、ホホ」
口もとに手をあて、
「アタシが
「さすが、ゴリラなみの
「ちょっとぉ、よけいなこと言わないでよ。ここは
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