第32話 ダーティワーク 2 地下
ソルは
ここまで来てしまったのです。今さら、ちゅうとはんぱに、後もどりなんかできません。とにかく、いけるとこまで、いくまでです。
どういうわけか、おじさんの
ガチャガチャ
ひと時のあいだ、ソルは立ち止まっていました。そこから
まず
とちゅう、いいかんじの土があったら
じっさい彼は、のうてんきに
今までだって、うまくいったんだし、だから、これからだって――
と、いうわけです。
ピタっと、止まりました。
海までのルートは、一度とおった道なので、えらびやすい道でした。でも、つかまった道でもありました。あの北サツマ通り
そこから、やく100メートルほど
なにもおきません。
また、100メートルほど
なにもおきません。
そのまま歩きつづけます。
やっぱり、なにもおきません。
どんどん
歩いても、歩いても、なにもおきませんでした。
だれからも
だんだんと
とにかく早く、ここからはなれようと、もくもくとソルはも歩いていきます。歩くことに
アゴから
――ハッとなります。
しばらく、ボーっと歩いていました。さっき、しきり
ソルは「通りすぎる風景」に、目がありませんでした。まるでそこに、
あらためて見る
スズメが、おそろしいほど
「ピィー」と、ヒヨドリが低く、
「あーもう、オレこんなこと、むいてないから!」
そのばに、ヘタリこみました。
ここへきて、はじめて
ここらへんはちょうど、町から山に入るさかい目でした。なかば
ドアにはカギが、かかっていましたが、毛スジほど、まどが開いていました。力をこめると、グッ、グッ、グッ、と少しずつ開いていきます。
あるわけもない
「やた!」
ガラガラ、コンクリのついた
石にあたると、
――と、今までにない
長い
「――っぶ、ねえなあ」
ベッタリ手をついた
これをさけて
ソルはそこまで
ためしにスコップをさしこむと、ブブッとささり、しんで止まりました。
そこであきらめました。
彼は、なぜか今まで
さあ、ここからが、ほんとうの
「ぷっ――、ぺっ、ぺっ、ぺっ」
しぶきが、
ガサガサ音をたて、なかみを落とそうとします。トロトロの
ここまでソルは、彼にしてはこの
かるくなったと思ったら、もう落ちていました。
じつはおじさんは、
今、彼がとりくんでいるのは、データの
それらの
ゆう
しいていえば、彼のしごとは「そこにいること」
また、このしごとは
ほんらい
もう一つには、
それともたんに、人は人としての
他から
もちろんそれは、人の手によってつくられました。
また彼の
いわく、彼は
それを
彼らはスパイラルに、アイロニカルに、
彼らは、たびたびカンオンから
この
といっても、そんなの
おじさんは目だけ、せわしなくうごかしていました。一つ一つ、ファイルのDeleteを
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