第12話 夜の外出
いつまでまってもホルスから、鳥がおくられて来る、けはいはありませんでした。ホルスにおくった、エリゼあての、
「まぁ、
午前中のエリゼすまい
「こんなんじゃないんだよ、こんなんじゃ」
「だから、ちがうって」
「いや、だかさらぁー」
カンオンの
それは羽ばたき
ソルのさがしているのは、ミニカンオンが組みこまれた、
カタログは、どれもこれもドハデなカラーリングでした。しらない
「う~ん」
「この」
「なんだよ……」
彼は
「なんだよ、このシキイの高さは」
「やらせる気ないだろ、アフォが」
もうやめようとして、さいごの
しらべてみるとつづきがなく、どうやら
ソルは自分で組み立てる気など、まったくありませんでしたが、ねだんのやすさで、とりあえずカートに入れていました。その
「ふぅー、時間かかったー」
ただ、えらんだだけなのに、
3時間後。
ソルは
「えー、ホントにきちゃったよ」
「どうすんの、コレ?」
ソルは手にしたものが、おもいのか、かるいのかさえ、はんだんつきかねました。そのまま、つつみの
みんなはねしずまっていましたが、ソルはおきていました。うすくらがりの中、目くばせすると、カンオンがやわらかく、てまえをピンポイントで、てらしました。よういしておいた
「ぷしっ」
ふくろをあけ、外むきのふくに着がえます。パジャマをいれたふくろを、トイレ
ろう下に出ました。ここからは、だれにも会いたくありません。グリップのよすぎる、スリッポンのクツをぬぎ、手にもちます。よこくミラーとして、先回りの
しずかな
ソルはこんな夜おそくに、エリゼから外に出たことは、一どもありませんでした。
気をぬかず、あかりを
けっきょくわからないことは、やってみなければ、わからないのです。ソルは、おそるおそる、かた足をゲートにふみ入れていきます。自分のしていることを、
ガラスの
足をいったん引きもどし、さっきはいたクツをまたぬぎました。それを手にし、ガラス
「コフッ」
はねかえった時の方が、ヒヤッとしました。マットレスにころがって、ラインの内がわで止まりました。
ぐっと、みがまえます。
力んだまま、いくらまっても、なにもおきませんでした。クツのもう
「ホフッ」
力を入れ、なにかを、まちかまえます。
が、なにもおきません。
彼はさっきとおなじように、自分のしていることを
体をななめに、
頭がカラッポのじょうたいで、なにを思ったか、ふと、足をマットにのせてしまいました。
「シュィ―ン」
「シュィ―ン」
「シュィ―ン」
ピーンと、ちょくりつポーズで
「シュィ―ン」
「シュィ―ン」
「シュィ―ン」
開いたり閉じたり。開いたり閉じたり。そのつど、
後ろの
ドタバタやらかしましたが、けっきょく、なにもおきませんでした。耳をすますと、かすかに外のさざめきが聞こえます。ソルの中で、あらためて時間がながれはじめました。
ガラスの
「
まずは、げんかんロータリーの、小さな
光とノイズの
ウインドウからもれる明かり。コンビニ、ファミレス、ファストフード、
行きかう車のLED。
暗くなったオフィスビルに、ながれる緑の
それらに
サイレンが、けたたましくひびきます。
「ハイ、道を開けてください」
「
「道を開けてください、パトカーがとおります」
お
とおりを歩いてゆくと、二階にEECCの入った、テナントビルがありました。
「EECC、エスペラント
一階にはドンキー・ホッティーが入っていて、バナナがらのパジャマをきた子が、ウロウロしています。べつのコーナーにいる親は、ジャージの上下、黒地にブディズムの、
そのとなりには、
ソルはもう、ターマ川のスーパー
「ジー……」
クビキリギリスのなき声がします。ソルは虫の
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