防ぎたい未来

西暦2050年頃、日本のインフラは同時多発的に壊滅した。

なり手がおらず、事実上絶滅したのだ。

絶滅危惧種には種として維持できる限界の数がある。

少子高齢化、技術の継承の失敗、上がらない賃金、ブルーカラーの絶対数の減少、省力化、少人数化etc

一般的な職業として維持できる最低数を下回ったのだ。


いまや本来的な意味でエンジニアと呼ばれる人達は企業勢と個人勢に分かれ、個人勢の技は一子相伝の技と化していた(継承者の人数の問題で)


都市部のハビタブルゾーンを除いては生活水準は2000年代を下回り、限界集落界隈では国や企業が事実上放棄した風力発電や太陽光発電を利用して井戸水やため池の水利に使用して細々と生き延びていた。


2030年代後半以降の上下水道民営化によって、2040年代相次いだ上水道管修繕費が水道料金に上乗せされたことにより、一部の富裕層以外は安全な水を消費することができなくなっていた。

2050年代、選択出来る職業というものは都市部を除いて消滅していた。


とまあ、こういった感じで戦争なんか起こらなくても充分ポストアポカリプスになり得る要素がてんこもりな訳で。

創作物を無料で自由に読んだり書いたりできるのはせいぜいあと20年という試算です。


嘘だと思うならあと10年ほど待ってみましょう。

できれば当たらない方が良いな。

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SF 短編集 宮脇シャクガ @renegate

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