魔◆◇年☆クタ!ン0? 『△ヶ■の×○』

「どうにも、思い出そうとしているようだ」

 自分の身体を囲うようにして誰かが喋っている。

「どうする?このまま我々について知られるのは、出来るだけ避けたいところだろう」

 初めて自分の所に来た死を斬ったのは、いつのことだっけ。

「もう一度、彼の記憶を消すか?」

 記憶?そうだ。人間誰しも、記憶を持っている。

「しかし、そのためには彼に接触しなければならない」

 記憶、知識、経験。これが、人間が存在する上で必要な要素だ。

「観測する役目は全てあれに任せているのだろう?ならば、このままでも良いのではないか?」

 じゃあ犬である唐乃介は、これらの要素は必要ないのだろうか。

「しかし……」

 もし唐乃介にこれらのうちどれかが欠けていたら、それでもあいつは唐乃介でいるのだろうか。

「彼が記憶の全てを思い出し、自分と言う存在について知ったとき。そのときにどういった反応を示すのか。それを観測することも今の我々には必要なことだ」

 そういえば、俺は今どこにいるんだ?

「まあ、そうかもしれないな……」

 手術台の上、のような場所。それ以外は分からない。

「では、ひとまずは様子見と言うことで」

 ああ、なんだか、異様にまぶしいな、ここ。今更だけど、目を瞑りたくなる。

「ああ。あまりにもひどいようならば、その都度対策を練ろう」

 そういえば、最近寝られないんだ。ひどく魘される。夢を見ているわけじゃないと思うけど。でも、寝れないんだ。すぐに目が覚めてしまう。黒い何かと戦った後、帰ってきて少しだけ寝て学校に行くという生活をしていたら、そりゃ睡眠時間なんてあってないようなものだけれど。

「彼は、気付くのでしょうか」

 頭がまだガンガンする。どうして、こんなに頭痛がひどいのだろう。

「分からん」

 頭痛薬はどこだっけ。そもそも、持っていたっけ?

 ああ……、そうだ。俺は、魔法少年なんだった。

 皆を守る、正義のヒーローだ。

 守らせてくれ。理由をくれ。言い訳をくれ。俺に、俺は……、俺を……、

「助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ」

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