優しい抱擁

[フォリアサイド]


城下をアースロイド様がお戻りになった。真の友との闘いは嘸かし辛いものだったであろう。でもそれはクラリス将軍も同じであるはず、それでも笑って戻らねばならないのだ。今しばらくは悲しむ時が欲しい私でも察しがつく。


しばらくすると戦後処理の話し合いが終わったのであろう部屋に近ずく足音が聞こえる。


「アースロイドだ。フィリア入るぞ」そう言ってドアを開けアースロイド様が入って来られる。


ドアを閉じると行き成り両膝を付き両手を床に付け土下座の形になり「あああああ・・・・ダリルが・・ダリルを・・殺して・・しまった・・・」っと泣き出し床を濡らし始める。私はアースロイド様を抱きしめ「わかっております・・・ええっ・・・わかっておりましとも」っと声をかける。


「・・私がこの手で切り捨てたのだ・・・」


「・・・わかっております。・・・・ダリル様もわかっておいでです。・・ダリル様のためにも早き統一を成し遂げなければなりませぬ・・・」そう言って両手でアースロイド様の頬を挟み口付けをする。「フィリア。お前だけは私の側にいてくれ・・・お前の側しか安らげる場所がないのだ・・・たのむ・・・・・」


「大丈夫ですよ・・私は陛下の側から離れる事はありませんよ。」




そしてお互いが互いを求めあい。肌の温もりを感じあった。






次の朝、目覚めるとお互い裸で顔の側にはアースロイド様の寝顔があった。いつものような優しい寝顔である。その寝顔を見ながら「貴方の心は私の物です、そして、私の身も心もアースロイド様の物です。何があろうとも別れる事などありませんよ。」っと髪を撫でながら呟く。






「もちろん・・・カインも・・同じですよ・・・・」


そして、再び口付けをするフィリアであった。

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