アリシアへの依頼

「この国の腐った状態を正すには、ただ悪党を殺すだけでは、もう無理なんだ。全てを一度壊す必要がある」


そう言って僕達は全てを話し、アリシアは最初驚いた表情をしたが、その後理解した。


「・・・まあ、それぐらいしないとダメなのかもしれないねえ。だけど、それなら王様は、全ての国民の敵になって、恨みの対象になるよ」僕はその言葉に同意し頷く。


「全てわかってやってる事だよ。最後には、殺される覚悟を持ってやってる事だ。」僕はアースロイド様の思いに更ける。


「そして最後に国王を殺すのは義弟である貴方だという事なんだね。・・・・カイン。」僕は静かに頷く。


「アースロイド様は、極悪非道の魔王って話だったが。実は誰よりも民の事を考え決断できる王様だったんだねえ。でも、例え未来のためでも、地獄に変え、多くの命を奪うんだ、身の裂ける思いの決断だろ。」


「だから、僕達は良く考え地獄を見て二度とこんな事が起こらない方法を見つけなきゃいけないんだ!」「そのために私達は旅をしてるのよ」アリサが付け加える。


「でっ、私に何をしろと・・・」そう言ってこちらを見る。その眼には覚悟を決めた思いがあった。そして僕達の考えを話す。


「この国の中央に大きな森があるよね、そこを霧で隠して人が入れないようにする、入ることも出ることも出来ない迷いの霧を張る。・・・まあ、それは僕らの仕事なんだけど、アリシアには各終戦後の領地に行って貧困に困る人たちを森に連れてきて砦っと言うか村を作って貰いたい。正し元に場所には戻れない事、人々の協力がなにより必要で破った者は即追放になる事を理解させてからバレないように連れてきて・・・」


「戦場の混乱中だからできると思う」エルザが付け加える。


「そのために、アリシアの信頼できる冒険者を5人ほど鍛えて欲しいんだ。そして、その5人が各々5人ずつ鍛え砦の治安と警備に当たってもらう。最終的にはアリシアを中心に各々が話し合って法を作り新しい国の礎になって欲しい。」


「私達は旅で様々な様子を見て回らないといけないから・・・・」エルザが辛そうな顔で付け足す。


「あと・・・・」


「まだ、あるのかい?・・・かなりやっかいな事ばかりなのに・・」アリシアが溜息を吐くと、「最後にもっとも重要な事がある。」と僕は告げる。


「最後に必要なのは{商人}だよ。信用できて信頼できて口が堅い、全てを話せるぐらいの商人が必要だ。生活しようにも物がないと出来ないからね。」そう、その人物がもっとも大事なのである。




「大仕事だね・・・・私にできるか。いやしないとダメなんだろうね・・。」アリシアは落胆しながらも、その眼は光輝いていた。


「わかった。やらせてもらうその仕事!でも資金はどうするんだい?いっちゃなんだが結構な資金がかかるよ」その言葉に僕は一つの麻袋を出した。


「資金はある!白金貨で100枚!これを使ってくれ。足りなければアースロイド様が潰した貴族から奪った金が回ってくる。元々領民の物だ遠慮なく使ってくれ。


そう言って麻袋を机の上に置く。白金貨100枚。およそ10億円と思ってもらうと解かり易いと思う

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