暴走族のたまり場?
[カインサイド]
時は少し遡って。姉上からの文が届いてから、アリシアに会いにギルドに来ている。
ギルドの扉を開くと、カウンター越しに、いつもの秘書らしい姿でアリシアが迎えてくれた。「いらっしゃい」いつも通りの笑顔である。だが、何かが違う。何か威圧の様な物を感じる。僕達はギルド内を見渡して、ある風景を見つけ、ショックで両膝を床につけ、呆然とそれを見つめる。エルザとアリサも同様に現実逃避をはじめた。「なんだ~これ!」「・・・・いや~」
僕達が見た風景とは、ギルドに居る冒険者たちの姿である。多くの冒険者たちが、あの{刺繍入りのロングコート}を纏っていた。それは、[鬼]とか[悪魔]とかの柄だけではなく、[一匹狼]とか[渡り鳥]とか、[一番星]なんてのもあった。こと。女性に至っては[美人薄命][〇〇命]なんてのもある。どこのトラック〇郎なんだ。
しかも、みんな椅子に座らず、しゃがみ込んですわっている。俗に言うウ〇〇座りである。近ずくと絡まれてカツアゲに会いそうである。暴走族の集会かよ!って、つっこみたくなる。暴走族なんていないけどね。
「ア・リ・シ・ア・・・・」
僕達は、ふらつきながら、カウンターに向かい、アリシアに尋ねた。「なんなの?あれっ!」すると、サラッとした返事が返ってきた。
「あ~、あれね。オーグやワイバーンを一瞬で倒した[仮面舞踏会]が噂になってね、そんな英雄に憧れて真似し始めたって感じ?!」そう言って、ウフフフっと笑ってる。いやっ、明らかに広めたのってアリシアだよね。いいのか?こんな不良の集まりみたいで、いいのだろうか?
まあ、元々ならず者の集まりみたいな感じだったし、別にいいのか!
「それに、{仮面舞踏会}が有名になった方が、貴方達も動きやすいんじゃない」小声で話すアリシアである。
「確かに、そうなんだけどね」なぜか釈然としないのである。
「ところで今日は、何のようなのかな?依頼をさがしてるの?」
「いや、実はギルドマスターにようがあってね。あえないかな?」そう告げると、奥の執務室に通してくれた。執務室に入ると、アリシアの目付きが一変し、鋭い表情にかわる。アリシアは、ギルドマスターでもあるのだから、この変化は、流石である。
「内密の話のようね。」アリシアが告げると、僕達も頷いた。そして、重い空気の中、話始める。
「アリシアは、あの盗賊どもを殺した時言ったよね。盗賊どもを生かしておくと被害が増えるって、だから殺すって」「ええっ、確かに言ったわね。その通りよ」アリシアが答える。
「それを、国の単位でやってる人がいるって言ったら、どう思う?」
「そんなことしたら、暴動や虐殺がおきて、この国が地獄に・・・・まさか・・・」
アリシアが、何かを察したようだ。
「そうだよ。国王。アースロイド様は、それをしているんだ!未来のために、だから、ここも地獄に変わる。ギルドも、なにもかもが潰される。」だが、アリシアは平然と受け入れていた。
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