第32話 俺の神ー!

 呆れた顔のおっさんが箱から木彫りの像を取り出す、俺の好きな毛布で包んである、あれ貰えるのかなー?


「…毛布は差し上げますから、ちゃんと貴方の神ですからね?ちゃんと拝見なさい」


 はい、欲望丸出しで申し訳ありません!


 行儀よく伏せて毛布がするりと解かれるのを見つめる、俺の神様はバ、じゃないといいなー、おっと、毛布から出てきた。


 


 …像は…何て言うか、ふ、普通ー…


 せめて可愛いメグちゃん系とか綺麗系とかだったらもっと反応出来たんだけど、中の中ラインの女性の像だった、どう反応すればいいんだよ…


 あだっ!ちょ!悪口言ってないよね!?


「きゅーちゃんさん、神は神ですからね?」


 おっさんのがさりげにビドイと思うんですけどー!ねー?うぉい!


「この神様の像にお祈りなさい、悪口はだめですからね?きゅーちゃんさん」


「くーん」はい、了解しました。


 憐れんだおっさんは俺の頭をナデナデして町へと消えていった、そして残る目の前のふつ…俺の神様像を見て考える、想像の方がワクワク感があったなっと、ぉう!わ、悪口じゃないんだからねっ!


 ツンデレ風に言い訳するが微妙に頭が痛い、微妙なのがポイントだ、ジワジワします。


 あれ?名前とかないの?ただの神様ってだけ?おっさーん!名前ないのー!?


「キャォオーン!」おっさーん!ヘルプ!


 俺の遠吠えは町へ消えて行ったおっさんには届かず、叔母さんに五月蝿いって怒られた。



 結局名前が判らないまま俺は像に祈る


 やっぱ、チートがいいんですけど?




 …虚しい、像がなかった時より虚しい、だって何の反応もしないんだ、ツマンナイ。


 とか思ってたら像が微かに光った?淡ーく気のせい位に光っている……だから何だと言われればただ、わー何か少し光ってるね、面白いねー、とメグちゃんに言われて終わった。


 俺は真剣に祈りついでに聞いてみる


 結局何がしたいの?と


 あだだー!なんでだよっ?俺がツマンナイって思ったから光ったの!?


 像が一瞬ポワーンと光を強めた、あれ?何だろうイエス的な感じがする。そう考えたらまたポワーン、ああ、イエス、ノーで会話的な?


 ポワーン、と一回がイエスで、二回がノーだと言うのが判明、俺神様と意志疎通してる!



 

 だからなんだろう……

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