第31話 祈りは届いた、おっさんに
現ナマが、じゃねーや、物理的な物が降ってくるのが確信できた俺は祈りが届いているのを確信できたのでそれはもう頑張った、端から見ればただ目を瞑って寝ているように見えるだろう、が!ふはは、俺の時代キタコレ!
とは、言いつつ具体的に何をどう祈れば良いのか未だに分からないので、ひたすらチート下さいとしか祈ってない、くれぐれもチーズが食べたいとか考えない様に。
祈り始めてから恐らく一ヶ月経ったのだろう、月一で王都から物を売りに来るおっさんが来たので分かったんだか、もう一ヶ月も祈ってたの?収穫チーズだけじゃねーか…
「お久しぶりです、きゅーちゃんさん、調子はいかがですか?お祈り届きました?」
ここで縦に頷いてしまうと結果成果がチーズなのがバレてしまうので横に振ってまだなんですアピール。
「おや?もうひと月ですがまだですか、神というのは気難しい方なのですかね…」
ただのポンコツじゃねーの、と思おうとして、脳内でストップをかける、頭痛はいやや!俺だって学習はするんだぜ、脳内ストップ余裕ですー
「ああ、そうでした、巫女様から伝言があるんですよ、真面目に祈りなさい、と言っていました、きゅーちゃんさん、真面目に祈っていませんね?」
おっさん、分かっててカマかけるとは!宜しくありません事よ?
「きゅーん?」ちゃんと祈ってますよ?
可愛さ仕草で首をこてっとし知りませんポーズ。
おっさんもコテっと誰得ポーズで首を傾げてニッコリ笑顔。
「巫女様にはお見通しみたいですよ?きゅーちゃんさん?」
芝生の上でヘソ天して申し訳ありませんポーズ、あの野郎千代さんにチクってやがる!チートが欲しいのが何が悪いんだ!
アタタタタタ脳内ストップ失敗!頭が痛いぃ!ヘソ天状態で頭を抱えて悶絶!
「ちなみに神に暴言を吐くと頭が痛いらしいですね?巫女様曰くお仕置きらしいですが…暴言吐いたんですね…」
おっさんが頭を抱える俺を見て察した様だ、なあ、おっさん察しが良すぎるのもどうかと思うんだぜ、憐れみの目で見ないで恥ずかしい。
「仕方ありませんね、コツを一つ聞いて来ましたよ?」
バッと反転、キリッとお座りする、はよ教えて下さいお願いします!尻尾も振ったるで。
「以前から思っていましたが、調子のいいかたの様子で…」
調子?良いよ?愉快な子で変換おなしゃす
「はぁ…どうやら神の姿を想像しながらお祈りするのが良いらしいですよ?」
え?姿?見た事ないんですけど?コテッ?と傾げて知りませんポーズ。
「きゅーちゃんさん、巫女様のお部屋へ行きましたよね?お姿を掘った像が置いてあったはずですよ?」
え?マジで、懐かしい部屋だなーって思っただけで部屋の全体なんか見てなかった…ええ!あそこにあったの!?俺の神が!?
全身ピーンで驚いてる俺を見ておっさんがまた憐れみの目で見てくる、やめたげて!俺のライフはもうゼロよっ!
「何だか、不安を感じまして、簡易的な像ですが持ってきてよかったです…」
察しが良い事は素晴らしいよね!
わーい、おっさんイケメンー有り難うー!足元でぐるぐる回る、自覚なかったが俺は嬉しいと足元でぐるぐるするらしい、犬だからしゃーないて、な?おっさん!
「はいはい、今持って来ますから落ち着いて下さい、ルルさんお願いします」
おっさんの言葉で俺はルルさんに捕獲された、ルルさん…誰の言う事でも聞くの?
馬車でゴソゴソして三十センチ程の箱を取り出し戻ってきた、俺をこの世界に呼んだ神だろ?テンプレ的には今更だが姿を見れるのかー、やっぱロリ?いや、ババアの可能性も捨てきれない、嫌がらせするもん!
脳内ストップが壊れた俺が頭を抱えるのを見ておっさんの目が憐れみを越えて呆れている、やめて!一応俺だって犬神なんだからなっ!偉いんだぞ!これは神のババアのせいでっ…
あだだだだだだだだだだっ!
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