第29話 頭がーあたまがー
真面目なお話し合いが終わった後、おっさんにメルーさんの家まで送ってくれたがもうちょっとメグちゃんと居たかったです。
「きゅーちゃんーお帰りないご飯出来てますよー?奮発していいお肉買いましたー!」
知ってる、肉しか出ないのはなっ!
「王都はどうでしたかー?大きいでしょう?私も配達で行った時はそれはそれは驚きー!でしたー」
確かに大きいが目線がな、犬だとあんまり上も見れなかったし、すぐに城に連れていかれたし、市場のような所ももっと観光したかった。
でもおっさんが王都御用達らしい良いお土産を一杯持って帰ってきてくれたから嬉しい、お気にの毛布も何枚かくれたんだ、太っ腹ー。
良いお肉をチョロっと食べて腹を満たしたら毛布にダイブっふぁーん気持ちいいー!
「えー?遊ばないんですかー?つまんないですー」
知るか、旅帰りで長い話し合いをして俺は疲れているんだ、寝かせろー……すやぁー
よく寝た翌日からはちゃんと神に祈ろうと念じる、神様仏様ー聞いて聞いてっ俺の欠陥能力頂戴!くれっ!聞いてんのか!聞けやー!
これが祈りなのか自分でも謎だがどうせ暴言吐いても聞こえてないんやろ?ポンコツ神!
ぐうっ……何か急に頭が痛くなってきた、え?聞いてました?聞こえてんの?返事しろ
……あうあうあー!頭がいてぇ!やっぱ聞いてんじゃねーか!止めてー?嘘嘘冗談が通じない奴だなっ!ううっ……文句考えてると益々頭が痛い、真面目に祈ればいいんですか
大人しく、祈りを頑張るが、これ暇過ぎ、庭のポカポカ具合が眠気を誘う、これは俺のせいじゃない、お日様が悪いんや……すやぁー
そんな退屈な祈りの毎日を送っていたが王都から帰ってきて二週間ほどか?おっさんが言っていた俺の護衛とやらが挨拶にきたんだが、予想に反して女性だった。
「犬神様、これから貴方をお守りする使命を受けました、キャロラインです、よろしくお願いします。」
丁寧なのはいいんだけど、無表情、にっこりもしない、ガン見されてる感じがして怖いですぅ……
キャロラインさんは一応俺の護衛だが、食堂の手伝いもしている、あの無表情で接客がまともに出きるの?と心配してたら影で叔母さんに愛想よくしろと怒られていた、叔母さん無双。
キャロラインさんが来てから食堂も少し余裕が出てきた様子、メグちゃんが喜んで報告する、俺が人間の言葉を理解出来る事を聞いた為か日常の話を色々話してくれる、まだまだ俺も会った人間も少ないし世界の事もわからないから大変参考になりますー。
町に食堂はここしか無いらしいのは驚いた、だが屋台はそれなりの数が有るらしい、屋台と言えば王都の屋台は少し見れたが、得体の知れない形の肉とかあったけどアレは魔物の肉なのか、地球とは違う動物なのかさえ分からない、祈りが届けば鑑定!とかチートとか貰えるかな?動物と話せるだけだったら泣きたいわ。
神様ーチート下さいお願いします
ずっと繰り返してる、俺はチートが欲しいんです、チートチートチートチートうっ!チート考えすぎてチーズが食べたくなってきた。
「ヴォフ?」
はい、ルルさんなんすか?ペロペロ転がしですか、今は気分じゃないですー酔いますー
ふと、前方から何かのにおひ…あれ?これは、っこれは!なんとぉ!前方にチチチチーズがあぁ!
何か違うんですけど!?
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