第21話 何故か王城へ
翌朝鳥の鳴き声で起きる、毛布が快適だったのでグッスリ眠ってしまったが、そういえば晩御飯食べてない、お腹すいたなーと思いつつ窓の外枠にとまっている鳥を見るが何ともカラフルな鳥だった、蛍光色かよ朝から目が痛くなる様な色してんじゃねー!
「きゃん!」目立ちすぎぃー!
空腹でちょいイラしてたので吠えて見るが逃げない、俺ナメられてる?と、階段を上がってくる足音がする、この音はセリのおっさんだ、ふくよかな分少し重い音なのだ。
ドアを開けたおっさんが窓の外に居る鳥を見てちょとびっくりした顔をする、あんな色びっくりするよねー?
「これはこれは、珍しい、彩鳥(さいちょう)ですね、人前には滅多に姿を見せないんですよ、何か良い事が有るかもしれませんね?」
せうなんですか、目が痛いんではよ居なくなって欲しい……願いが通じたのかおっさんを見たからか、さっと飛んでいった。
「お腹空いていませんか?一応起こしたんですけど気持ちよく寝ていたので、そのままにしてしまいましたが」
おう、起こしてはくれようとしてたのか、俺が悪かった、はよご飯頂戴ー。
犬用の餌もあるらしい、都会は違いますなー、メグちゃんの賄いもおいしいけどね?メルーさん?あれは肉しか出さねぇから他の栄養は賄いで摂るしかないんだ……。
中々イケる犬用ご飯を食べたらまた眠くなつてきた毛布がアカンの、気持ちいいー…
がらがらと音がする、馬車の中の様だ、二度寝とは不覚!何時もの荷物を運ぶ馬車じゃない、人間を運ぶ馬車だ、王城に行くのだから当たり前か。おっさん結構オシャレしているが誰に会うの?
「起きましたか、毛布気に入りました?離さないので一緒に持ってきましたけど、お土産にあげますよ」
おうハズイ、でも嬉しい
「きゃん」ありがとー!手にスリスリ
「ふふ、メグちゃんにきゅーちゃん用のお土産一杯持って帰りましょーかね」
ええおっさんやで。
体感的に三十分程だろうか、馬車が止まったので王城へ着いたようだ、誰かが馬車のドアを開ける。
「セリ様、お疲れ様です」
あれ?様づけ?おっさんって結構お偉いさんなの?
「有り難うございます、急な訪問で申し訳ありません」
「いいえ、大丈夫ですよ、さあお入りください」
何か丁寧なやり取りだ、恐ろしくなってきた、まさか王様に会うんじゃないよね?俺心の準備出来てません!
「きゅーちゃんさん、毛布は置いていきましょうね、行きましょうか」
いやそれ位は弁えてますってばー、やだー誰に会うの?不安すぎ……
おっさんに抱かれて進んでいくが、正門から入る訳じゃないみたいだ、何で?
「それにしてもお話には聞いていましたが、本当に可愛い子なんですね、少し触らせて頂いても?」
「きゅーちゃんさん、いいですか?」
「きゃん!」そんな褒められたら触らせない訳にもいかんだろう、触りたまへー
「おおーなんと手触りのいい、いやはや、やはりお話には本当なのでしょうかね?」
お話とはなんぞ?謎の会話だ
「どうでしょう?これから確かめる訳ですから何とも言えませんね」
「そうでしたね、宰相様もお待ちですから少し急ぎましょうか」
さ、宰相ってのは王様の隣のあの?えっ?
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