第11話 不満です

 メソとルルさんの狩りの成果は中々のものだったらしい、叔母さん効果?残念ながらどんな獲物が捕れたのか見てみたかったのにメグちゃんに止められてしまった、何故に!


「きゅーちゃんはお外みたいなこわーい場所には行って欲しくないの…お外の世界はね、スッゴく怖いんだよ?だからお庭から出ちゃ駄目なの!」


 いや、どんだけ脅迫するのー?お外の世界は相当恐ろしい様だ、でもやっぱり見たい。


「きゅーんぅ?」おねがーい見せて?


「めっ!きゅーちゃんにはまだ早いの、ルルみたいに立派になったら考えるから今は駄目なの!」


 くっ!俺はルルさん程立派になれるって?犬言うたやんけー!ルルさんは犬と違うんでしょ?無理な未来予想図ですわ…


「こーんーばーんわーきゅーちゃんお迎えに来ましたよー?」


 ぬう、メルーさんのお迎えが来てしまった、メグちゃんとの攻防は一時中断の様だ。


「メルーさんお仕事お疲れ様です、きゅーちゃん今日は我が儘言って大変ですっ」


 えー?そんな我が儘言ってない!ただ狩った獲物とやらを見たかっただけですぅ。


「きゅーちゃんー?我が儘は駄目だよー?いい子いい子してないと食べちゃうぞー?」


 冗談に聞こえないのは何故だろうか、きっとモリモリの朝食のせいだ、メルーさん肉ばっか食べてるからな。


 仕事帰りの空の荷物と共に馬車に乗せられ、メルーさんの家へ帰されるのであった。


 メルーさんのお仕事は朝早い分、帰りは結構早い方で丁度夕食時なのか馬車から見える町並みは結構人の行き来が多い、人間とメルーさんの様なケモミミもちらほら見かける、ドワーフとエルフは何処に居る?夢中で探してたらメルーさんの家に付いてしまった。


「あーお腹ペコペコですーきゅーちゃんもお腹減ってるでしょー?今用意するから毛布で待っててねー?」


 此処に来たとき寝床として用意された毛布へダイブっモンスターが見れなかった不満を表し毛布にやつ当たる。


 毛布に噛みついてぶんぶ…わさっわさっと振り回す、可愛いもんさ……だが犬らしいやろ、何かに噛みつくのが楽しい、体も脳内も大分犬っぽくなってきたな、もっと力があれば思いっきり振り回せるのに…メグちゃんが心配するのもしょうがないのかもしれない。



 一時間ほどで夕食が出来た様だ、いい匂いがするけど同時に嫌な予感もする。


「出来ましたーご飯たべようねーおいでー」


 デジャブかな?朝食とそう変わりのない肉の盛り合わせが目の前にある、太らせて喰う気ですか!ちゃんと野菜も食べなさいっ!


 肉の盛り合わせをガツガツ食べる綺麗系女子は見ないようにして、所で俺のご飯も肉の盛り合わせなのだがメルーさん、もう少し犬の勉強してほしい、食えませんってー!


「んー食欲ないですかー?食べないと大きくなれませんよー?」


 問題はそこじゃねー!唐揚げっぽい肉の山盛りを犬に食べさせんなっ!

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