第10話 冒険者

 うざいチャラ風イケメソはザイルという名前らしい、叔母さん効果なのか急にしおらしくなった。


 そして!なんと、ザイルは冒険者らしい、冒険者といえばやはりこの世界にはモンスターが居る確定なのだろう、ルルさんが居るんだから予想はしてたけれども、異世界の最初の冒険者との邂逅がこいつとは…俺もツイてないな。


「あのさ、そんで狩りに行きたいんだけど、ルル貸してもらって…いいですか?」


 しおらしくなりすぎーぃ!


「きゅーちゃんをもう二度と馬鹿にしないと約束してくれたらいいです、その前にきゅーちゃんに笑った事謝って下さいっ」


「や、マジすいません、おチビ様」


 頭が高いじゃねーか?おん?土下座しろ!


「ごめんね?きゅーちゃん悪い人じゃないんだけどお調子者なの、叔母さんにも後で怒ってもらうからね?」


「…まじか…」


 イケメソが絶望した!


 イケメソが落ち込んでるのを見て俺も満足、フンフンしてた鼻息も落ち着いてきたし清々したわ、ざまぁー!


「じゃあザイルさん、いつまでも落ち込んでいないで狩りに行ってきてください、お肉が届かなかったら私でも叔母さんをどうにもできないからね?」


 メグちゃんがさりげないSっけ出し始めた、恐ろしい子!


「っ行って来ますっルルっ早く行こうぜ!」


 今更わたわたとしても遅いわメソめっ、お前はこれからイケメソじゃねー、ただのメソよ!


 


 …ただのメソって何だ?冷静になってきたがまぁいい、永遠のメソよ


 ルルさんがのそっと立ち上がり俺をじっと見る、あー心配されてるの?仕方無いんじゃないかなー?狩りがんばって?


 冒険者との狩りを見てみたいが、メソの狩りは別段見なくてもいいわ。


「ルル、ザイルさんとの狩りがんばってね、叔母さんが許可出したんだから今はきゅーちゃん守ってなくても怒られないよ!」


 え?俺のガーディアンしてたんすか?てか何か危険があるんですか?


「ヴー…ボフッ」


 ルルさんがメソと一緒に裏口へ歩いて行く、俺とメグちゃんが見送るが、ルルさんが狩りに必要なんだろうか?もしかしてメソの野郎は弱かったりするの?ぷぎゃーなの?


 そもそもルルさんって強いのかな、見た目はメッチャ強そうだけど叔母さんに叱られている姿が脳裏から離れん…


「じゃあ私も仕事戻るけど、きゅーちゃん?お庭から出ちゃ駄目だからね?いーい?」


 俺を抱き上げて言い聞かせているようだが普通の犬は理解しないからね?


 だが俺は賢い犬なのだからなっ


「きゃん!」アイアイさー!

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