第8話 雨降ってなんとか

 メルーさんの説明はこうだ。


 配達人メルーさんの仕事それなりに忙しく、ペットを飼いたかったが、遊ぶ時間もまともに取れず飼いたくても飼えなくて困っていた、なので仕事の間預かってくれる人が居れば飼えるんじゃないか、と。


 そこに白羽の矢が立ったのがメグちゃんで、お世話費用諸々は出すので仕事の間はメグちゃんの所で預かって欲しい、と。


「なるほど、それならばメグちゃんもほぼそのわんちゃんと一緒に居られると、いう訳ですね?」


「そうなんですー私の仕事上配達が遠出になる時もあって家を留守にする事もあるのでーそうしてくれると助かりますがどうですかー?メグちゃんー」


 とてもいいと思います。


「で、でも私に都合がよすぎませんか?」


「いいえー?とても助かりますしー何よりお互いにとってうぃんうぃんーですよー?」


 確かにな、恐らくほぼメグちゃんと居られるし俺もうぃんうぃんーだな。


 メグちゃんは半信半疑な様な本当にいいのか迷っている顔をしている。


「メルーさんの提案が無理でしたらやはり、私に売るという選択肢が一番の解決法になると思いますよ?メグちゃん、借金が増える事もなくわんちゃんと一緒に居られるんですから乗っておきなさい」

 

 そうだそうだ押せ押せ、俺もメグちゃんを見て思いっきり尻尾をふふりしてアピールする。


 メグちゃん皆の顔を見渡して


「メルーさん、セリさん、有り難うございます!わたしきゅーちゃんを大事にお預かりしますね!」


 やったー!メグちゃんと一緒に居られるぅ


「よかったです本当に可愛いねー?抱っこしてもいいですかー?」


「はい!もうメルーさんの子になったので許可なんていりません、あ、名前わたし付けちゃて、良ければメルーさんが付けなおしてください」


 名前?変えるの?えー変えるのか…超絶かっこよければ変わるのも考えよう、マスタングとかな。


「なんてお名前付けたんですかー?」


「きゅーちゃんです!」


「んーじゃあ、そのままでいいですー」


 お?中々空気の読めるお姉さんだな


「まー変えるとして?まる、とかー?」


 お前もセンスねーな!


「でもきゅーちゃんのが可愛いのでー変えなくていいですー」


 せやな


 メグちゃんの腕の中からメルーさんの所へ受け渡される、メルーさん中々いいサイズですな


「わーもふもふでまんまるで本当にまるーい」


 表現がふわふわしてて具体的な姿が想像出来ん、俺はデブなの?ただのもふもふなの?


「そうですよね!可愛いですよね!!」


 こんなに可愛いと言われるとあんまり大きくなるのも考えものだ。


「おや?迷い犬で…うむ…?」


 なにやらおっさんがぶつぶつ呟いているが

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