第8話 訴え

意志なるもの

歴史が繰り返されるのではなく、人の思いや欲望が常に繰り返されるのさ。初めての人生では、失敗は度外視されてる。


慧眼 パターン1,2

欺瞞や先入観は、認識を強く阻害する。表面に含まれる実質を抜いてこそ、即ち真なる慧眼である。

何物かを称賛する際に、引き合いに別の事物を貶す人物を信用してはならない。そういう手合は得てして打算的で狡猾であるためだ。

ある事物を称賛する際、引き合いに他事を貶す者を信用してはならない。この手合は得てして浮気性であるからだ。


教育のありかた

エデュケーション、エデュケーション。教育もいいが、冒険をしたまえ。海の向こうには、どんなに高尚な文章よりも如実な光景と得難い物語が君を待っている。即ち、旅はこの上なくスリリングな勉学である。


賑々しい誘い

得てに帆を掲げるという言葉がある。調子にのって得意なことをするという意味である。いいじゃないか。どんどん打ち込んで、でかい顔をしたまえ。君だけの専売特許であると周囲に豪語するのだ。思うにお調子者が、きっとこの世の中を賑やかにするだろう。


うつろい

元通りという言葉は嫌いだ。何故なら、そこに進歩や成長がないからだ。変化には、向上が必要であると考える。我々の先祖がそうしてきたように。


重厚、それでいて希薄

私は自分のことを語ったことがない。私の歩んできた道は、私の紡ぐ物語よりも希薄だからだ。それでも、私が歩んできた人生は、私が語るべきことを教えてくれる。どんなに薄っぺらい人生でも、その根底には、きっと面白い可笑しいストーリーが鎮座しているのだ。


子はけして延長線上ではない

大志を抱いてもダメ、馬鹿をしてもダメ。昨今の親は保守的でならない。それだから失敗を知らぬ子供は臆病になり、度重なる要求により受動的になり、命令によって利己的になり、ついには大人になったとき、物をも考えられなくなる。そして一番度しがたいのは、他人に救いを求められなくなることだ。

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