第4話 バス
私はハカセの家を出ると、隣の和菓子屋のおばちゃんにも手を振って「いってきまーす」と声をかけ出かけた。
坂道を下っていくと、ガードレールが一か所だけ
バス停のベンチはすぐ後ろから生えているブナの木の
私はバス停の標識に
山の切り立ったへんぴなところに大学があるため、電車では行くことができず、公共の交通機関ではバスで行くしか手段がない。
しばらくすると、白地に赤のラインが入ったこの町ではよく見る型のバスがやって来た。バスの
バスは
バスの窓から見える町の景色は
ここに来て1年近くなるけど、振り返るといろんなことがあった。たくさんの出会いがあったし、いろんな思い出もできた。大学に行くまでまだ時間があるから、その間にこの町のことや、出来事を整理することにした。
この町の名前は
町の中心には
駅から離れるとハカセの家みたいに古い民家も多くて、どこか昔の
この町は年々人口が増加し都市の開発が進んではいるけど、まだ
だけど、大きなデパートや映画館もあるし、
なんで1年程しかこの町に住んでない私がこんな話をできるかというと、大学の先生からお願いされている課題に関係していて、昨日の夜にこの町のことを必死にパソコンで調べたからにほかならないのだ。
いろいろ町の話をしたけど、私的にこの町の好きなところはお祭りやイベントが多いところかな。
8月にあるお祭りや行事だと、花火大会や
この絵を見て回れるイベントはもう終わっちゃったけど、実は私とハカセは
ハカセが今年から
国が認定した
私たちが参加したイベントも商店街を会場にして、お店を町の人達に知ってもらい足を運んでもらうのが目的の
そのイベントの「学生アート通り」では、家々にこの
また、ただ絵を飾るだけじゃなく、スタンプラリーをやって絵が飾られている空き家や公民館で、お客さんに
駅近くの広場では、実際にモノ作りが体験できるイベントも開かれてた。ペーパークラフトと言って、細い
私もカゴ作りをしてみたかったけど、小さな子の間に「わー」て行って
そこまで私たちの利益に
イベントでの準備は、大学の学生や先生方が絵等を空き家や公民館の場所ごとに
このイベントでは企画の話し合いも学生の子たちが参加していて、ハカセからそのことを聞いたときは
準備の手伝いをしているときは、何度も美術大の学生に間違われ、「どこのクラスの子ですか?」とよく聞かれてた。そんな風に声をかけられる機会も多くあったためか、他の大学の人達と交流を深めることができ、私的にはイベントに関われてホントに良かった。
私はアルバイトがあったため、大学のサークルには入らなかったけど、楽しそうにこういったイベントの準備をしている学生を見るとうらやましくもあった。今が楽しくないってわけじゃないんだけど、今よりもっと毎日を
イベント当日は私は公民館の
いくつかの景品を来た人に選んでもらい、選んでもらった景品を渡したら、
私は1週間すべてその作業をしていたんじゃなくて、月、木、日曜日の3日だけ参加することになってた。また、1人でこの作業をするのではなく、私ともう一人、
私の隣に座るのは町の美術科の高校生で、3日とも女の子の予定だった。さすがに長時間2人でやる作業を男女でさせるわけにもいかないだろうし、高校側もそこは
私が作業をしてない日にその公民館を
イベントの初日に一緒に作業をしてくれた子は、名前は若羅珠 多途祢(わからず たずね)という子で、地元の高校に通う3年生。鼻が高く日本美人といった顔立ちの子だった。背が私より少し低くやせ型で、長い髪は後ろにひとくくりにしてむすんでおり、前髪もまっすぐ切りそろえられていた。学校の制服の
美術科の子だからかな。アウトドア派というより外に出ず家にいるほうを好みそうに見えた。緊張していて
「景品の受け渡しの流れとか大丈夫?用紙の書き方はわかる?」
ようすを
「あ、はい…たぶん。先生から一通り教えてはもらったので」
緊張なのか、その子は一歩引いてる
な作業だったけど、初めてのことで自信がない姿がそう見えたのかもしれない。
「初めは、私が景品の受け渡していくね。見ててわからないことがあったら何でも聞いて、私も分からなかったら、ケータイで電話をして他の
今、ハカセは学生の作品が展示されている他の空き家で受付とスタンプを押す係りをしてる。そこまで忙しくはないだろうからハカセに電話して聞くことはできるはず。
「ありがとうございます。あの、私昔からすごくミスが多いんです。
その子が申し訳なさそうに言うので、私が「大丈夫、ミスしたら私のせいにしたらいいよ」と言ってあげると、その子は首を横にふりならがらも、笑顔がこぼれていた。
私は仲良くなるチャンスだと思いそこから話しを広げ、その子のことを聞き出した。自分が相手のことに興味があることを伝えるのが相手との
この子は言うとおり少しぬけてる部分があるみたいで、1度学校のカバンを忘れて
「美術専門の高校ってどんなところ?全然想像がつかないけど大変なの?」
「絵を描いたりするのは好きですし、楽しいから大変ではないんですけど、まわりの子が美術が上手で、
ある絵の課題を学校へ
その子は目を細め、苦い思い出を頭の中で浮かべてるようだ。
「あぁ、学生のときはそういことよくあるよね。勉強してないよって言って、本当は勉強してたり」
「はい、最初その子のことを仲間だと思ってたんですけど、仲間じゃなかったんです。
「友達よ」
そんなこんなで雑談をしながら2人で
わたしはその子のことも他の友達と同じように下の名前で呼んでいいか了解を得て、「たずね」と呼ぶようにし、たずねも私のことをまいごと呼ぶようにと少しムリを言ってお願いしておいた。
イベントの作業は
そして、作業をしながら話していくうちにたずねが今年わたしが通っている大学を受験することが分かった。聞くと、たずねが受験をする大学の学生(私)がこのイベントの手伝いをするから、一緒に参加して大学の話を聞いてみたらどうだと先生に言われたそう。どうりで私とよく話をしてくれるわけだ。
もっと早くそのことを言ってくれたらいいのにと聞くと。「イベントのお手伝いが1番の目的で、大学のことは
どうやら、たずねはたずねなりに考えながら私と話してくれていたようだ。
本題の大学の話しになると、私はとりあえず、たずねにとって目の前の受験が心配だろうと思い、自分が昔よく使っていた問題集の本を教え、試験に出やすいところも覚えてる範囲で教えてあげた。夏休みが終わると新しいことを覚える勉強から、次は覚えたことを活かして問題を解いていくことが多くなってくるはず。とにかく
私はたずねがいつも持ち歩いてるらしい参考書を見ながら、「この教科のこの範囲ははほとんど出ないから、勉強するのは後回しにしていいよ」とか自分が昔受験生だった頃の記憶を
熱心に私の話しを聞くたずねを見ていると、どうにか合格してほしい気持ちが
「まいごさん、3年前習ってたことも教えることができるんですね」
たずねは私の話を一通り聞き終わると、参考書にメモをして言った。
「うーん…私は受験の時は余裕がなくて必死だったから、その分、記憶に強く残ってるのかも」
「そうですか…。それにしても試験に出やすい範囲も覚えてるなんて、驚きました」
たずねは、不思議そうに私を見た。
「もしかして、まいごさん。最近、
たずねは口元を笑顔にしながら私に聞いてきた。
「選ばれた人?」
「知りませんか?ウチの学校ではこの噂みんな知ってますよ」
たずねは楽しそうに私に話してくれた。
「世の中の人たちで稀(まれ)にいる、身体能力が異常に発達している人たちがいるって噂です」
「身体能力?そういったことは聞いたことないかな…。それって例えばどんな人のことを言うの?」
「そうですね。例えば記憶力が良くて、視界に入ったものや自分が胎児のときのことまで細かく覚えてるとか、目が良くて物体を
「そんな人がいるの?」
「いえ、ただの噂話です。でも、その話しだと、その選ばれた人たちには共通点があって、みんな血管が見えそうなくらい色白で、月1回、必ず大きな病院に通って体の検査を受けてるそうです」
「噂話にしては内容が
「もしかしたらまいごさんも気づいてないだけで、隠れた才能が眠ってるかもしれませんよ。もし違ってたとしても、まいごさんは私の中では
「うん…ありがとう」
その後も作業を進めながらたずねと他愛のない話をして笑った。大学の話しを聞く目的があったにせよ、相性の良さを感じた私は、来年たずねが大学に来たら仲よくなりたいなと思った。だから、私は自分が働いている喫茶店の名前をそれとなく教え、大学のことや勉強で分からないことがあったら教えてあげるからと言っておいた。また、大学の文化祭に暇だったら来てほしいとも伝えた。大学を自由に見て回れるいい
町のイベントは朝の10時から17時までの7時間もあったけど楽しかったからか、あっという間に時間が過ぎて行った。
イベントが終わり
「まいごさん、今日はいろいろとありがとうございました。お手伝いのはずが話しばかりしてすみません」
「いえ、こちらこそ若い子の話しを聞く機会なんてあまりないから楽しかったよ。文化祭よかったら来てね。忙しかったら仕方ないけど、来てくれたら嬉しくて泣いちゃうから」
そう言うとたずねは目を細めて口元を笑顔にした。
「本当ですか?泣くまでずっとまいごさんの顔見てますからね」
そんな話をしながら二人で笑った。このときは、楽しくてなんだか私も高校生のときに戻ったような感覚になって嬉しかったのと、会って数時間だったけど別れる
「じゃあまたね」と私が言うと、「はい、おつかれさまでした」とたずねも言って手を
きっとあの子の人を引き付ける力が強いせいで、別れた後の反動が強いんだろう。ああいった
イベントの手伝いに参加した2日目も同じように私と他の高校生のペアで作業していった。そのときペアになった子はどうやらたずねの友達のようで、友達同士の2人で一緒にイベントに参加することに決めていたそう。
2日目にペアになった子の名前は花佐須 津奈木(はなさず つなぎ)。たずねと同じように学校の制服を着ており、
たずねの話をすると「あの子と一緒にいるとすぐミスするし大変じゃなかったですか?疲れませんでした?」と聞かれた。
景品の受け渡しもちゃんとしてくれてたよと言うと、「いつもさんがいたから、きっとすごく気をつけたんだと思います。あの子この前だって帰りに乗るバス間違えて、となり町のほうまで1人で行ってたんですよ」と話してくれた。
私は笑ってその子の話を聞いていた。
その子は困ってる感じでたずねのことを話していたけど、表情は明るく見えた。きっとたずねが友達であり、ほっておけない存在になってしまってるんだろう。
その子は遠い目で部屋の空間を見ながらたずねのことを話した。
「なんかあの子、いつもふらふらしていて
私はそれを聞いてハっとした。そういえばたずねは美術科の高校に通っていて、それなのに私の美術とは関係ない大学を受験するのは確かにかなりの
「ごめんね、ちょとプライベートなこと聞いていい?」
「え?はい、大丈夫です。」
その子はきょとんと、なんだろうという表情で私の顔を見た。
「たずねの美術以外の科目のテストの成績ってどうだったか聞いていい?」
私は、かなり
「あぁ、良いですよ。私のクラスでは1番いいです。たずね、中学校のころから成績優秀だったみたいで、本当は高校ももっと偏差値が上の高校を受けるつもりだったそうなんです。それが、急にたずねが美術の高校を受けるって言い出して、受けるのに親からすごく反対されたって聞いたことがあります。昔から性格は変わってないみたいです…」
私はそれを聞いてホっとした。そういえば、大学受験もあまりに上の大学を受けようとすると高校の先生が説得して、その子にあった大学を受けさせるはず。すると、今のところは大丈夫なのかもしれない。
たずねの話を終えるとその子はうつむいて、なにか考えごとをしているように見えた。私にはその子の今の気持ちがなんとなく読み取れる。きっとこの子はたずねが同じ美術大学に通えるかもと思っていたのだろう。3年間同じ高校に通ってせっかく友達になれたのに、急に普通の大学に行くとたずねが言いだしショックだったに違いない。
「そうだね。ちょっとあの子も自由すぎる性格かもね。きっと後悔しないように自分に正直に生きてるんだろうとは思うけど」
私は、その子の落ち込んでいるような顔を横目で見ながら言った。
「あの子、将来の進路は自由に決めてるけど、友達とは高校を卒業しても変わらず同じように会って遊びそうじゃない?」
たずねの友達は顔をあげて「そうですか?」と私に聞いた。
「高校時代の友達って、忘れたくても忘れられないから。私もいまだにその時の友達のことを考えて悩んだりしてる。考えすぎて、ときどき嫌になっちゃうけどね」
私はこの子が信じてくれるかなと思いながら自分のことを話した。その子の顔を見るとさっきより表情が元気になってるような気がした。
「いつもさんは、たずねが受験する大学に
「そうだよ」
「もし、たずねがいつもさんの大学に入学したときは、少し
この言葉を聞いて、なんて友達思いのいい子なんだろうと思ったのと、こういったことを恥ずかしがらずに言えるのは若さの
わたしはその子に「たずねが入学したら必ず声かけるから心配しなくていいよ」と言うと、ホっとしたようで、「よかったです。ありがとうございます」とおちついた口調でその子がお礼を言ってくれた。
その後、その子ともたずねと同じように下の名で呼び合うまで仲よくなることができた。また、私の大学の文化祭によかったらたずねと一緒に来てねと誘っておいた。勉強の息抜きにはなるだろうし、大学は違うけど、これからも仲よくできたらと思ったからだ。
たずねとつなぎの2人を見ていて、ずっと昔の自分とねむりのことがダブってしまいしかたがなかった。つなぎがたずねのことを話しているとき、自分はねむりのことをこんなふうに話すことができるだろうかと考えた。他の人にねむりがどんな人だったか聞かれたら、あの子みたいに表現できるかな…。
その日のイベントも何事もなく無事に終わり、イベントの参加が2日目だったためか、かたずけも2人でスムーズに終わらせることができた。
そして、公民館のドアのカギを閉めた帰り
「どうしたの」と
「まいごさん、たずねから何か、私に秘密にしていることがないか聞いたりしてませんか?」と聞かれた。
「秘密?いえ、たずねからは何も聞いてないけど、どうして?」
「たぶん、たずね、私に隠し事してるみたいなんです」
この時期は恥ずかしいという感情で、いろんなことを隠したがる時期でもあるので、それを聞いても特に変に思ったりという感情はなかった。
「なんでそう思うの?」
「わたし、今年は受験もあるんで、たずねと遅くまで教室に残って勉強して一緒に帰ってるんですけど」
「うん、仲いいね」
「はい、ただ、毎月一日だけたずねが用事があって、一緒に帰れない日があるんです。理由を聞いても、たいした用事じゃないからって言うだけだし、いつも不思議に思ってたんですけど。」
つなぎはなんとも言えない困った表情で話してた。
「先月、たずねがまた同じように用事があるってどっかに行った日、わたしもその日は親戚の家に行く用事があったんです。帰りのバスを
「病院…」
私は反射的にそうつぶやいていた。
つなぎの話しを聞いた
『ウチの学校ではこの噂みんな知ってます。その選ばれた人たちには共通点があって、みんな血管が見えそうなくらい色白で、月1回、必ず病院に通って体の検査を受けてるそうです』
たずねのあまり外に出ていなさそうな白い肌が
「つなぎ、ちょっと聞いていい?」
ありえないけど、私は確認のためにどうしても聞きたくなった。
「はい?なんですか?」
つなぎが不思議そうにこちらを見る。
「ある噂なんだけど」
「噂?」
外は夕焼け空が黒く変化しつつ、今日が終わろうとする空に星がぼんやりと見えていた。
「選ばれた人って噂聞いたことある?」
夏の夕暮れ時には珍しく、夜に近づく冷たい空気が流れていた。
「選ばれた人?なんですかそれ?」
リビングの時計を見ると、午後6時にはハカセの家に帰ることができていた。帰った後イベントの作業の進み具合を確認するため、ソファーで寝っころがってるハカセにこっちは問題なく順調に進んでるよと話した。ハカセの方も何も問題なくできてるみたいだったけど、絵が展示されてる空き部屋の受付を1人でしていたらしく、
私が、こっちはたずねやつなぎ達と作業して楽しかったことを話すと、ハカセは「はぁ?」と
「そうなったら若い子に変なこと
「俺は楽しく話して有意義(ゆういぎ)な時間を共に過ごしたいだけだ。ただ、イベントの最後は仲良くなった証(あかし)として、俺と肩を組んで写真を撮ってもらがな」
布団に入り、暗い部屋の中を夢見うつつ、今日あったことを振り返る。今日のイベントの帰り、つい自分を
きっと、たずねは何か隠してる。でも、それはたずね自身の問題であって、私がそこに踏み込むことはできず、たずねが
私が参加したイベント3日目は、イベントに来るはずだった子が風邪を引いたみたいでお休みになり、私もハカセみたいに1人で作業しないといけなのかなぁ…と落ち込んでいたら、
今月だと、この街のことや
そんな考えに
あたり一面田んぼ畑で風に吹かれて
いつもバスに乗っている間は、ケータイ電話をいじっているか、最初にある大学の講義の教科書や参考書を眺めているかのどっちかで、まだ着かないかなとバスの到着時刻と自分の時計を見比べたりすることが多いけど、今日は心なし早く着きそう。このあたりまでくると大学はもうちょっと。もう少し行くと木が
私は、窓の景色を
『4月12日
今日は学校で先生に名前を呼ばれることが多い日でした。国語の授業では、「しかし、次の文読んで」と言われて、あわてて教科書何ページのところか友達に
その後、「ちゃんと私の
まいごはクラスでは人気者で、化学の授業で先生から私が当てられた時も、みんな私ではなくまいごを見て笑ってた。周りからは、私はねむりではなくてまいごの友達って
まいごみたいになれたら毎日楽しいだろうなってうらやましくなる。でも、ああいったものは簡単にはマネできないし、その人の持って生まれた才能と言うしかない。そんな子と友達になれてるんだから、自分は幸せ者だと思わないと。
学校が終わった後、友達は部活に行っちゃうし、
前からまいごに渡そうと思っていたものを探さないといけなかったから。今日は時間もあってまいごもいないことだし、町の駅前や商店街の方に行ってみよう。見つかるといいな…。』
『4月19日
今日はお休みだったから、借りていた本を返しに町の図書館に行ってきました。昔からこの街にある図書館は、元は
受付で本を返した後、次はどれを借りようかと悩み、
本の紙がもう茶色く変色していました。けっこう分厚いから、返却日までに本を返せるように急いで読まないと。
図書館を出た帰り道に、ふたが壊れてしまった
どうやら自分には物を買いすぎるクセがあるようで、そのことをまいごに話すと、「わたしがねむりのお
そういえば、まいごに渡そうと思っているものが見つかりません。この商店街も歩き回って探したけど、どこにもありませんでした。ネットで調べると、そんなに探すのに苦労しないと思ったんだけど…。やっぱり
ねむりの日記を読むたびに思うのが、昔の私はこんなに明るかったのかと恥ずかしくなる。若さゆえなんだろうけど冗談ばかり言ってないで、もうちょっとねむりと向き合って話してほしいと、自分のことながら胸につっかえるものを感じる。
今でも、学校で笑って話していたねむりの姿を
日記に書いてるように、ねむりが私に
それは昔の私でもそう考えてた。ねむりには人を
ねむりが亡くなると分かっている今なら、好きなようにさせてあげればと思うけど、あの時はねむりの良い部分を消さないためにも変わらずにいて欲しかった。
ダメだ、ねむりの手帳を読むと、探し物を探す考えからねむりとの思いでを懐かしむ
手帳から顔を上げると、バスが
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます